患者さんに喜んでもらえる言語聴覚士を目指して。

S.A さん健康科学部 医療福祉学科 言語聴覚専攻 1年生

2014年09月04日更新

大学進学を考える際に思い出したのが、小学生の頃、脳溢血で倒れた祖母がその後遺症で失語症になったことでした。かねてから看護師を志望していましたが、言葉が思うように出ずに苦しむ祖母の姿がよみがえり、「祖母と同じように辛い思いをしている人をサポートできたら」との思いが膨らみました。京都光華女子大学に言語聴覚専攻が開設されると知ったのはそんな時。「私が学びたいのは、これだ」と、進学を決めました。

入学して数ヵ月、今は言語についてさまざまなアプローチから学び、基礎を習得しています。興味深いのは、「小児言語発達学」の授業。生まれたばかりの赤ちゃんが成長過程でどのように言葉を身につけていくのかを学びました。また「音声・言語・聴覚医学」の授業では、神経など人間の生体から「音」や「聴覚」について学んだり、一方「日本語コミュニケーション」では、コミュニケーションの手段としての言語を考えます。「言語」という切り口から、多様に学びが広がっていくのがおもしろいです。

授業中に「ここは国家試験に出ます」と先生から聞かされるなど、基礎段階の今から言語聴覚士の国家試験を意識させられる機会もあります。もちろん毎日の勉強もハード。毎週行われる小テストに備えることはもちろん、レポートにも悪戦苦闘しています。例えば、“QOLとは何か”“高度医療技術を受けるべきか”などといったテーマについて、言葉の意味を調べるところから始め、メリット・デメリットを分析し、その上で「自分はどう考えるか」が求められます。正解のない問題に自分なりの答えを出すのは本当に難しい。そう痛感させられる毎日です。

忙しい勉強の合間を縫いながら、「ダブルダッチ」という縄跳びのスポーツにも夢中で取り組んでいます。練習と勉強の両立は大変だけれど、どちらも大好きなこと。両方おろそかにせず、全力投球したいと思っています。

後期からはいよいよ言語聴覚療法についての専門科目も学び始める予定。いつか、「Aさんに看てもらって良かった」と患者さんに思ってもらえる言語聴覚士になることを目標に、これからまだまだがんばるつもりです。