2015年7月25日(土)13:30~17:00にキャンパスプラザ京都にて行われた「変革する大学!『学修成果の可視化」から教育・授業を変える-感覚的な議論から、エビデンスに基づいた改革の実践へ-」と題した教育IRフォーラム(主催:大学コンソーシアム京都、株式会社リアセック)で発表しました。
このフォーラムは、「学修成果をどのようにして客観的に可視化するか」、さらには「その結果を具体的にどのように教育の改善に活かし、実際の行動に繋げていくか」を検討することと目的としたもので、国内外の高等教育改革についての調査研究結果の紹介、大学教育再生加速プログラム(AP)の採択校からの効果測定から実際に授業や教育を変えた事例やIRの取組の紹介を通じ、京都地域及び全国の大学における教育改革の加速化と、大学における教育IRの更なる普及・定着を目指したものです。
まず、国立教育政策研究所高等教育研究部統括研究官(命)副部長の深堀聰子氏による「学修成果の可視化による教学改革-その理想と課題」と題した基調講演が行われました。
次いで、産業能率大学経営学部准教授の杉田一真氏による1つ目の事例紹介「教育IRの実践-効果測定と改革のサイクルをいかに循環させるか-」が行われました。
本学からの発表は、2つ目の事例紹介にあたり、「教学改革のPDCAの『A(アクション)』-EM・IRの更なる前進に向けて-」(発表者:相場浩和)というタイトルで行いました。
まず、前半では本学のEM・IRの取り組みを紹介しました。
これまでの流れを大きく3つの時期に分け、基盤形成期では、学生支援GPに取り組みながら「京都光華のエンロールメント」のあり方を模索したこと、その後の基盤充実期では、基盤形成期の総括を基に(1)IRを基礎として、(2)EMを体系化し、(3)それを実施する組織横断的な専門部署(EM・IR部)を作り活動を発展させたこと、
そして充実発展期にあたる現在は、APと連動し、(1)アクティブ・ラーニングの活性化、(2)学修成果の可視化を重点項目とし、更なる効率的な組織改革を進めていることを発表しました。
後半は、短期大学部のAPについて、特に学修成果の可視化に焦点をあてて紹介しました。
まず、可視化は3つの柱を立てて行う((1)ディプロマ・ポリシーを核とした可視化、(2)外部社会人基礎力テスト(PROG)による成果の客観性の担保、(3)卒業生による評価に基づく長期学修成果の可視化)ことを説明し、それぞれについてさらに紹介しました。
ディプロマポリシーを核とした可視化に関しては、その中心となる「総合的評価提示システム」について紹介しました。
外部の社会人基礎力テストとしてのPROGの導入は、ディプロマ・ポリシーによる評価の客観性を保障するためだけでなく、多くの内部指標との相関分析により実際的な社会人基礎力育成のための方針を発展させること、および、学生へのフィードバックにより、学生に「何を行うべきか」の指針の提供も目的としていることを紹介しました。
最後に、卒業生による評価については、具体的にはインタビューを行い、実質的に教育改革につなぐことのできる情報を引き出すことを狙いとしていることを紹介しました。
このフォーラムは、定員180名だというでしたが、すぐに申し込みがいっぱいになったらしく、当日は220名以上の参加者で熱気にあふれる会となりました。フォーラム終了後も参加者の皆さんと意見交換を行い、さっそくこの後の経験交流を約束するなど、非常に有意義な会でした。
相場 浩和