2015年12月2日のワークショップに参加した。
「プロフェショナルのAL化」とは何か、どんな授業をすればよいのかを全く掴むことができずにいたため、藁をも掴むという心境であった。「プロフェショナル」という語感から、学生が積極的にデザインの優れた作品を創ることのように感じ、とてもできる筈がないと悩んでいた。
ワークショップでは「発見の喜びを知る」という高度な目標から、「寝る学生が一人もいない」という現実的な問題が出され、最終的には「できていない学生に教える喜びを体験する」という目標に着地し、大いに安堵した。早速一週間後の「住居管理学」で、初めて意図的に(それらしい授業の進め方は時々行っていたが)アクティブラーニングを実施することにした。
テーマは「家庭のエネルギー」とした。
まず、学生を2グループに分け課題を与えた。スマホ、パソコンを利用してもよい。図書館で調べてもよい。
となりのグループのカンニングもOK、ということで進めた。
課題1.家庭で使っているエネルギーを全て挙げよ。
課題2.その中で一番多く使っているエネルギーは?(2グループとも「電気」と回答)
課題3.そのエネルギーは、どのようにして作られるのか。
課題4.そのエネルギーを一番多く消費しているものは何か?(全グループ「照明」という正解にたどり着いた)
課題5.そのエネルギー消費を半減させるにはどうしたらよいか。
以上のステップで、最終的には電力消費を抑える様々なアイデアが出された。途中の段階で、調べて得られた語句の中に学生に知られていない、例えば「バイオエネルギー」や「蒸気タービン」など、座学で教える予定だったものについては、適宜解説を加えた。これにより講義という形式よりも、学生が知りたいと思ったことを教えると、喰らいついて聞き、非常に吸収が良かった。一方的な講義よりも効率が良いと思われる。
講義形式によって教えたい事柄の量はおそらく半分にも満たないと思うが、全部教えたとしても記憶に残らないことを考えれば、相当に効果があると思われる。
自ら考え、調べ、教え合うという学習スタイルにより、
・自分で考えることによって、よく理解できた。
・いつもの講義より楽しかった。
・時間が短く感じた。
・全然眠くなかった。
遅れてきた一人を除く参加者全員から、異口同音の感想が得られた。
検討すべき点は
1. 課題は、難しすぎず、優しすぎず、事前の準備が重要。
2. 遅れてきた学生にどう対応するか。
である。
(石橋 実)