9月13日5講時、今年度3回目となるDPアセスメント科目についてのAPワークショップを実施しました。まず前回8月2日のワークショップのふりかえりを行い、そのうえで意見交換を行いました。
これらのふりかえりを踏まえて、意見交換をするなかで、授業のなかでディプロマポリシーの達成度を測ろうとするよりも、学生にポートフォリオを作成させ、そのなかで学生自身の学びの計画・経験と、ディプロマポリシーを関連付けていった方がよいのではないか、という意見が出ました。つまり、各科目での評価を集約してディプロマポリシーの達成度を示す「総合的評価提示システム」に対するオルタナティブは、必ずしも授業(DPアセスメント科目)にこだわる必要はなく、学生自身が自身の学びについての説明責任を果たす中で、ディプロマポリシーについての達成度も考えていくという方向性です。結論的には、この方向で検討を進めていくことになりました。
このやり方の利点として議論された点はいくつもあります。このようなやり方であれば、総合的評価提示システムのなかでこれまで十分活用できていなかった科目別到達目標の「自己評価」の結果を活用できる可能性があります。またこれまで検討してきた「振り返りシート」や「目標設定シート」といった試みともつながる内容を含んでいます。そして、ゼミや卒業研究を持たない短大生にとって、2年間の学びをどう主体的に構築していくか、という切実な課題にも重なる面があります。学生が自身の学びの計画・経験を、大学側が提示しているディプロマポリシーと照らし合わせることを通じて、学生たちの意見を踏まえてディプロマポリシーを改善するという可能性にもつながっていきます。
もちろん、ポートフォリオのような方式を採用したからといって、3つのディプロマポリシーをどう解釈・評価するのかという、これまで検討してきた課題は残されます。また、単位取得や就職活動に直接的に役に立つわけではない作業を、どのようにして学生にやる気を起こして作業させるかという課題も引き続き残ります(意見交換のなかでは、積極的にディプロマポリシーを再確認するようなイベントを折々に設けていくといったアイディアも出ました)。しかし、これまでの議論を踏まえて、建設的な方向性を見出すことができました。引き続き検討を重ねていきたく思います。
定松 淳