3月16日に「デザインシンキング体験セミナー」を開催しました。
デザインシンキングは、企業などの組織でイノベーティブな発想を生み出すマネジメント手法で、2005年米国スタンフォード大学にデザインシンキングを取り入れた教育機関d-schoolが創設されたことを皮切りに、ビジネス領域で世界的に広まり、近年、特にコンセプト創造が弱いと言われている日本の企業の多くが商品やサービスの開発にこの手法を取り入れています。
今回のセミナーは本学内外から参加希望者を募り、本学3つの学科から教員10名、職員1名、外部の企業などから4名の、計15名で実施しました。
第1部では、デザインシンキングの概要と沿革の説明。
第2部では、5名ずつ3つのグループに分かれ、デザインシンキング・入門プログラムを体験しました。
これは、発見→詳細化→探求→実験というデザインシンキングの基本的なプロセスに基づいています。全体で2時間という限られた時間の中、すべての参加者がデザインシンキング初体験ということもあり、最初は戸惑っている様子もありましたが、各チームとも時間内に新鮮なアイデアを導くことができました。
デザインシンキングの大きな特長は、卓越した個人のスキルに頼るのではなく、グループのメンバー全員の共感性がエネルギーとなり、楽しみながら最適解を探し、結果的にイノベーティブな解決案にたどり着くという仕組みにあります。このことは、我々が取り組んでいるアクティブ・ラーニングにも応用ができ、本学のカリキュラムに沿ったアレンジができれば、すぐれた教育ツールになりうると思います。
近年、デザインシンキングが注目されていることは、本来、人間誰しもが持っていた創造性がいつしか失われたということの裏返しであり、成長途中の女子学生を預かる身として、伸び伸びとした創造性を育てていくということも忘れてはいけない視点であると再認識させてくれたセミナーでもありました。
井川 啓