学生個人を大切にした総合的支援の推進【平成20年度採択】

─エンロールメント・マネジメントと個別対応教育モデルの実践的融合─

新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム(学生支援GP)【平成20年度採択(大学)】

取組概要

本学では、個々の学生に対する入学前から卒業後にいたるまでの総合的な学生支援によって不安や疑問を解消するとともに、個別対応教育によってより高度な水準で教育理念と学力の達成を図るというエンロールメント・マネジメントを全学体制で実施している。

本プログラムは、それをさらに推し進め、

  1. アセスメントの体系化
  2. 学生へのトラッキング・サポート(不登校ゼロ計画)
  3. ラーニングコミュニティの創出によるピアサポートの充実

という3施策を有機的に接合することによって、全学年のGPAを0.5ポイント改善し、退学率を2%台にまで低下させることを目的とする。

取組期間

平成20年度~平成23年度

取組成果

京都光華エンロールメントの一環として「学生個人を大切にした総合的支援の推進」が構築され、平成20年度文部科学省が募集した学生支援GPに採択された。

この採択を受けて、アセスメント体系化の一翼として光華ライフアルバムが開発され、学生が光華naviを使い大学生活の目標や自らのやる気を記録、経年比較や他者比較により自己分析に役立てるほか、担当教員は学生の意思により開示された個人データから学生一人ひとりを総合的に理解できるようになった。
また、これらの体系化された情報が半自動的にスクリーニングできるようになったことから、本学独自のトラッキング・サポートとして、特別な配慮が必要な学生が支援を求めにくるのを受動的に“待つ”という従来のシステムから、彼らの潜在的な声を把握し行き詰まる前に能動的に適切な援助の手を“差し伸べる”システムに切り替え、その窓口となるメンターを配置した。さらに、ラーニング・コミュニティ組織として、職員も教育に携わる機会を提供し、様々な専門性を持つ教職員が結集して多角的視点から学習環境を運営する学Boooを創出し、学部・学科・学年の壁を越えて様々な個性を持つ学生が交流することができるようになった。

本活動は様々な経緯から実質上2年間の取り組みで、退学率抑制や学力向上にどの程度貢献したかは不透明な部分を残している。しかし、学生のワクワクしたいというポジティブな思いも、なんとなくやる気がでないというネガティブな思いも、光華なら受け止め適切に対応してもらえる、つまり「自分にやさしい大学」であるという意識を学生に醸成する機会を提供できたと考えている。