2014年度

第10回 伝統文化体験:能楽

2014年11月10日

今回は、「舞台芸術に観る感性(美・こころの表現)」を学ぶため「能楽」をクローズアップ、河村能舞台を訪問しました。講師は観世流能楽師の河村晴久先生。この先生は本学開学時から能楽部を指導してこられたお父様の河村晴夫先生とご一緒に、今も学生の指導に当たっておられ、しかも日本の伝統芸術・美意識を世界に発信するとともに、自国の文化・異文化理解の上に立った真の国際人育成のために世界各地で活躍されている方。サポートは先生の実妹であるキャリアセンターのMマネージャーです。
玄関から見所(客席)に入るなり、畳に手をついてのご挨拶から始まり、「和・研」の学生たちも身につけた丁寧なご挨拶を実践する機会に!!
室内なのに茅葺の屋根のある総ヒノキの能舞台に一同圧倒されて「うわぁ~」。静かな空間の中の重厚感と美しさには何の説明がなくても、すっかり感動の世界に入り込んでしまいました。
まずは能楽の歴史などのミニ講座で、能楽を大成した観阿弥・世阿弥のこと、この舞台が足利将軍の邸宅「花の御所」に位置することや、能楽がなぜ600年以上も伝承されているかなど、短い時間で凝縮した内容のお話しを聴き納得、日本人の感性や価値観などがすーっと理解できたようでした。 
続いては、舞台に上がっての型の体験。背筋を伸ばして、腰を少し落とし、あごを引き、両腕を。。。などなど、一つひとつを一生懸命に真似てみましたが、先生の「大地に向かって力をこのように」のアドバイスを訊いて、これまたなるほどと理解。姿勢(構え)、所作・動き(型)にはそれぞれ意味があり、洗練された美しさがあることも感じることができました。

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さらに普段は入れない楽屋も案内していただき、幾種類もの貴重な能面・能装束の紹介もしていただきました。能面は右目と左目が微妙に上下の角度に違えてあることで、少しうつむいたら悲しげ、少し上を向いたら晴れやかな表情になることが判り、「能面のような無表情」という表現が間違っていることも知りました。
また、豪華な西陣織の能装束を観るだけではなく、実際に着せていただき感動 !!
日本の伝統産業・文化・芸術の集大成を一気に学ぶ機会になりました。

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「また知りたいことがあれば是非いらっしゃい、案内しますよ」との先生の気さくなお言葉に、ホンモノに触れる機会があることがいかに恵まれているかを再認識しました。      
このような京都ならではの、また京都光華ならではの貴重な体験を通して、日本の伝統美への理解をさらに深めたいと思います。

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次回からは「髪型に観る女性の美意識」をテーマとして、日本髪・結髪を学びます。女性の髪形の変遷を教室で学んだ後、1月28日(水)には、伝統美容技術協会代表・スタイリストとして第一線で活躍されているプロをお招きし、地毛による文金高島田をはじめとする「日本髪の結髪の実演」を見学します。モデルは学生たちが色打掛や振袖で登場、華やかな花嫁姿をご覧いただきます。
なお、この学Boooは公開学習として、一般の方にも公開予定です。(詳細は後日HP等にてご案内) ご期待くだい !!!