調査表作成の実践

 

5.2 調査票作成の実践

 

@解明したい問題に関連した質問や仮説に基づいた質問を選ぶ
A人によって違って解釈されやすい用語は,明確にその意味を規定しておく.
Bあいまいな表現の質問にしない.
C短くて簡潔な質問にする.
D調査対象者の多くがよく知らないことを聞かないようにする.
E事実に関する質問と考え方や評価に関する質問を明確に区別しておく.
F2つ以上の事柄や論点を1つにまとめて質問してはならない.
G回答をある一定の方向に誘導するような質問にならないよう留意する.
H人々の一般的な考え方を聞くものか,本人の実際の行動を聞くものかを区別する.
Iタテマエ的な回答をされそうな質問を避ける.
J質問の順番は回答に影響を及ぼすので,よく考えて順番を決める.
K個々の質問にどの回答様式が適切であるかを検討する.

 

 

5.3 回答の様式


5.3.1 自由回答法

 プリテストで用いると選択肢の作成に役立つことが多い.

 

5.3.2 選択肢法

 

a.選択肢作成の注意


@その質問に対する,世間の反応の状況について大体の知識をもつ.
A重複がなく,互いに排他的であるような選択肢を作る.
B選択肢の文章は簡潔でわかりやすいものであること.
C重要な項目や要素を落としていないか注意する.
Dあいまいな表現の選択肢を避けるようにする.
E多様な回答が予想される場合,「その他」という選択肢を用意する.
F選択肢の数が多すぎないように.

 

b.選択肢法の種類

 

@2つ以上のことなったものや相対立する考えを示し,選択する方法.
     2者択一 多者択一 多者択多

 

Aある事柄の賛否や程度の違いを質問する方法.
     非常に満足−満足−どちらともいえない−不満足−非常に不満足

 

 

5.4 フェイスシート


フェイスシート=調査対象者の背景 例:年齢,性別,職業,学歴など

 

 

6 測定尺度の構成

 

 

6.1 尺度とは

 

尺度(scale)とは測定された値(測定値)の集合である.

 

6.1.1 尺度のいろいろ


スティーヴンス(Stevens,S.S.,1951)の尺度水準の分類

 

 @名義尺度(nominal scale)
     間隔の概念も大小,後先の概念もない尺度
     例:「賛成・反対」,「リンゴ・ミカン・ソノ他」 (加減× 乗除×)

 

 A順序尺度(ordinal scale)
     個々の値の間に等間隔性が保証されない尺度
     例:「優・良・可」「1位・2位」 (加減× 乗除×)

 

 B間隔尺度(interval scale)
     個々の値の間に等間隔性が保証されるが,絶対ゼロ点の位置は不明である尺度
     例:温度 (加減○ 乗除×)

 

 C比率尺度(ratio scale)
     間隔尺度としての性質に加えて,絶対ゼロ点をもつ尺度
     例:身長・体重 (加減○ 乗除○)
 

☆結果の統計的処理にあたっては,得られた測定値がどの水準であるかに十分に注意する必要がある.

 

6.1.2 尺度の妥当性(validity)


尺度が測定しようとする特性をあやまりなく正確に測定しているかどうか


@表面的妥当性(face validity):その尺度が外見上妥当であるように見えること.
A内容的妥当性(content validity):尺度の項目が,対象概念についての項目母集団からの適切な標本とみなせるかどうか.
B基準関連妥当性(criterion validity):1つの尺度の得点と,他の方法によって得られた指標がどれだけ一致するか.
  ・併存的妥当性(concurrent validity)
  ・予測的妥当性(predictive validity)
C概念的妥当性(concept or construct varidity):測定結果が理論から予測される結果と合致するか否かによって評価される.

 

6.1.3 尺度の信頼性(reliabiity)


同一の対象者に同一の特性に関し繰り返し測定を行なっても,同じ様な測定値を示すかどうか.
 

@再テスト法(test-retest method)
   同一の尺度(テスト)を同一の対象者に対して一定期間をおいて2回実施し,測定値の安定度をみる.


A代替検査法(alternative-form method)・等価検査法(equivalent-form method)・平行テスト法(parallel test method)
   同一の対象者に対して,質問の形式や内容が等質であると考えられる2つの互いに平行な尺度(テスト)を同時に実施し,両者の測定値(得点)の相関を求める方法.


B折半法(split-half method)
   1つの尺度(テスト)を2つの平行な尺度になるよう折半して実施し,両者の測定値の相関を求める方法.


C内的整合性(internal consistensy)
   相互に相関が低く,項目全体としての整合性を欠く項目を排除し,内的整合性を高めていく方法.クロンバックのα係数がその代表的なものである.