2014.08.05

健康科学部 専門職連携教育シンポジウム「認知症・摂食嚥下障害に対するチーム医療 ~超高齢社会における専門職連携の重要性~」を開催しました

8月3日(日)、本学徳風館小講堂において健康科学部 専門職連携教育シンポジウム「認知症・摂食嚥下障害に対するチーム医療~超高齢社会における専門職連携の重要性~」を開催しました。 

本学では、平成26年4月、医療や福祉の現場で活躍する12の専門職を養成する健康科学部がスタートし、医療福祉学科・心理学科・健康栄養学科・看護学科の各学科間連携によって、将来職場で必要とされるチーム医療のマインドや実践力を学ぶことができます。

本シンポジウムは、超高齢社会における専門職連携の重要性、並びに専門職養成校として本学の果たすべき役割について考える機会として、医療・福祉、教育関係機関の方や、企業の人事担当の方、高校生とその保護者の方、一般の方々を対象に開催しました。 

冒頭、一郷 正道学長より開催のご挨拶、医療福祉学科社会福祉専攻 石井祐理子准教授による「本学の専門職連携教育の取組み」についてのご紹介の後、第1部として、基調講演を行いました。 

まず、富士いきいき病院神経内科医師で、本学医療福祉学科言語聴覚専攻教授としてご就任予定の高山吉弘先生をお招きし、『「認知症」に対する職種連携アプローチ』を講題として、認知症治療を通じた専門職連携の実例を用いて、専門職連携に重要なのは、1.相手の立場に共感する能力、2.多面的に想像できる能力、3.共通見解を探し出せる調整力・指導力、4.他職種の領域と責任範囲の明確な理解、の4つの個の力を高め、そして顔の見える関係づくりが必要であると、ご講演いただきました。

続いて、愛生会山科病院消化器外科部長で、京滋摂食嚥下を考える会代表の荒金英樹先生をお招きし、『「摂食嚥下障害」に対する職種連携アプローチ』を講題として、ご自身が担当されている病院内の栄養サポートチームの職種間連携についてや、より美味しい嚥下調整食についての取組みなどをご紹介され、多職種連携で重要なのは、それぞれの職種に対して医師が「指示」ではなく「理解」と「承認」をすることであると、ご講演いただきました。 

第2部では渡邊俊之教授(本学医療福祉学科言語聴覚専攻)コーディネートのもと、『高齢者医療における専門職連携のあり方とは?』と題したパネルディスカッションを行いました。

まずディスカッションに先駆け、秋口一郎教授(本学看護学科)から「高齢者医療と老年症候群」、中平みわ准教授(本学看護学科)から「認知症の看護について」の話題提供が行われ、医師と看護師、それぞれの立場からの見解を述べた後、パネリストとして瀧澤透教授(本学医療福祉学科言語聴覚専攻)、佐々木勝一教授(本学医療福祉学科社会福祉専攻)、大久保郁子教授(本学健康栄養学科)、鳴岩伸生准教授(本学心理学科)が登壇し、各専門職が連携の中で果たすべき役割、専門職連携教育のあり方についてディスカッションいたしました。

このパネルディスカッションを通じて、様々な立場の専門職の仕事一つひとつに役割と目的があり、それぞれに異なる世界観があるということについて理解をしたうえで、上手な人との関わりをしながら専門職として生きていくことが必要であると締めくくりました。

本学は、今後も専門職養成校として、他分野の専門職と連携することのできるコミュニケーション能力を持ち、高度な専門知識と優れた技能、そしておもいやりの心を持って地域・社会に貢献できる人材の育成に努めてまいります。

第1部 基調講演(1) 高山吉弘先生

第1部 基調講演(2) 荒金英樹先生

コーディネーター 渡邊俊之教授

パネルディスカッション(1)

パネルディスカッション(2)

パネルディスカッション(3)