2014.12.16
本学卒業生の風書家 月風かおりさん 南極で創作活動へ「道の向こうに感動が待っている」 出発前に本学の授業で講演
12月12日、本学短期大学部ライフデザイン学科の授業「女性のキャリアデザイン」(担当教員:脇田 哲志教授国際ジャーナリスト)に、風書家(ふうしょか)の月風かおりさんを講師としてお招きしました。
月風さんは本学短期大学の卒業生で、このほどアルゼンチン政府から招聘を受け、南極にあるアルゼンチンの基地に滞在して、ご自身が「風書」と名付けられた墨象の創作を行うことになりました。
世界各地を駆けめぐって創作を続けて来た月風さんの目標は世界7大陸の踏破だそうですが、そのうち南極は、これまで科学者が中心の世界で、芸術家はなかなか滞在が認められませんでした。
しかしアルゼンチン政府がこのほど、南極に芸術家を招いて創作活動をしてもらうという『極地芸術プログラム』を行うこととなり、世界中から応募したアーティストの中から月風さんがそのメンバーにみごと選ばれました。
南極に出発するのは、来年1月2日の予定。その準備でお忙しい中にもかかわらず、母校にゲストスピーカーとして駆けつけてくださり、およそ60人の学生に、これまでの創作の旅から得た「生きるためのメッセージ」をお話してくださいました。月風さんが書道を始めたのは7歳。
笑顔でお話された3つのキーワードは
「書道が好き」
「旅が好き」
「自分らしい表現がしたい」。
これらを掛け合わせて辿り着いた、自分の五感で感じたことを形にする活動のスタイルが「風書」だったそうです。
月風さんは、これまでに世界25か国を訪問しました。
必要最低限の旅の道具と、創作活動に必要な道具(墨・筆・紙や布)を入れたリュックを背負う月風さんの移動手段は、驚くことにオートバイです。状況によっては、マウンテンバイクで道なき道を進みます。
日本では、コンビニという便利な商店がありますが月風さんが訪れた国の中にはそのような便利な商店はありませんでした。
シャワーも、 草原の中の水たまりを利用することもあれば、真っ白の湯気がシャワーの代わりだった旅もあります。しかし、異国でのこれらの挑戦の先に共通してあるのが 「人に行き着くこと」。
人種や民族や言葉が違っても人の温かさは同じであり、先に経験をした人から何かを聞くことや、異国で「違いを楽しむことが大切です」と語る月風さんの表情には、充実感が内側から溢れ出しているように見えました。
最後に、月風さんが「目標を見つけるための五か条」をお教えくださいました。
①好奇心は自分を動かす
②やりたいことをやる
③トラブルは発見
④最後は人に行き着く
⑤道の向こうに感動が待っている
その言葉を聞いた学生たちは、感謝の気持ちと共に大きな拍手を送りました。
授業のあと、学生たちからは
「人生を思い切ってやってみようという勇気が湧きました」
「南極に行かれる先輩がいると思うと、とても誇りです」
「みんな同じ人間なのだから、怖がらずいろいろな発見を求めて、私も日本以外の国に行ってみたい」などといった感想が寄せられていました。