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教員コラム

ファンタジーを考える①

1. 夢分析

夢分析の面接を続けていると、「たましい」が夢見者(その夢を見ている人)を導いて行くことを経験したこと何度かある。

ある女性(30)の夢には、会ったことの無い少年が登場し、道案内のように先導してくれた。面接は毎月1回を3年間継続して終結したが、毎晩見ては記録してくる彼女の夢には度々、少年が現れて道に迷った夢見者に指針を与えてくれたのだった。

「こころ」をイメージすると、それは「空間」である。「広い心」「狭いこころ」「こころの片隅」などと言うとおり、「こころ」は容れ物のような容積をもった「うつわ」である。その空間の中で物語のように展開するのが夢なのだが、その夢に「たましい」が登場するのである。たましいは夢の中で「少年」「子ども」「動物」などさまざまなキャラクターとして現れることが多い。

「たましい」とは「究極の自分」である。普段の自分には自覚できないのだが、究極の状況で我を忘れたときに発現する「可能性」である。言い換えれば、我々のこころの中にある神・仏、超能力とも云えるだろう。

先述の夢見者である女性は「いかに生きて行けばいいか」に迷いながらカウンセラーの夢分析に通った。その生き方の迷いは彼女の夢の物語に現れた少年の導きによって解決した。道が見つかったのである。

【②に続きます】

藪添 隆一(2018年1月9日)