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教員コラム

占いと心理学(後編)

中編からの続きです】

ところで、先ほど占いの結果について、「純粋に偶然の産物」として醒めたとらえかたをしましたが、そうとばかりともいいきれないような気がしてくるのが不思議なところです。 占いには、「よくあたる」とか「全然あたらない」といった評価がありますし、それがまったくの気のせいともいいきれないと思えることもあります。また、よりによって今このときによくもこんな結果がでたな、とても偶然とは思えないな、ということもあります。

心理療法にも、よくもここでこんな出来事が起きたな、とても偶然とは思えないな、ということがたまにあり、そうしたことも心理療法の重要な要素となりますし、まったく同じことが大きく人生ということについてもいえると思います。

このあたりは、本当に謎です。謎は謎のままおいておく、ということもまた、大事なことかもしれません。

今西 徹(2015年10月26日)