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教員コラム

人体に関する雑学 その1

人体に関して興味をもってもらえればと、ちょっと面白い知識を紹介します。

あなたは石頭? いえ、物分りがよいか、悪いかを言っているのではありません。
ヒトはみな頭の中に “石”を持っています。
ふつう体の中にある石というと、胆石、尿管結石、唾石、歯石など、体に悪いものを思い浮かべますが、体になくてはならない”石”があります。
その石は頭の中、正確には耳の奥の骨の中の平衡器官にあります。
石といっても微小な砂粒の集合体です。
頭が傾くとこの石が重力で微妙にずれ、特殊な感覚受容細胞(有毛細胞)が刺激されます。
そこで電気信号に変換されて、内耳神経を伝って脳の中の中枢に届けられます。
姿勢制御の重要な情報の一つであり、ヒトは転ばずにバランスがとれるのです。
このシステムが障害されると、つよい目まいが起こります。
この石の成分は炭酸カルシウムであり、飲料水や食べ物から体内に取り入れられ、血液の循環に乗ってそこに沈殿するようです。
ちなみに耳石が特に発達している生物は魚類です。
”イシモチ” という魚はこの耳石が大きいことから名付けられたとのことです。
魚では正に”重し” として水中での平衡姿勢を保つ役割を果たしています。
ヒトはその重しとしての機能をエレガントに耳の奥に閉じ込めて活用していることになります。
進化とは不思議なものです。