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当世ネパール事情と女性たち

今回の「女性と社会福祉」のテーマは、「アジアの女性」です。
中でも、ネパールを取り上げて、JICAから派遣される青年海外協力隊でネパールに行かれた元・隊員の方から、
生きた情報を教えていただきました。

その際、クイズも取り入れながら、
アクティブラーニングのスタイルで行われました。

 

ネパールは世界の最貧国の1つであり、
識字率も高いとはいえず、

平均寿命も日本ほど高くなく、

児童労働なども見られ、

職業カーストも(法律上なくても)実際には残っています。

なかなか変えようがない貧富や身分の格差の下で生きているネパールの人たち。

とりわけ、歪は女性の暮らしに現れているとのことでした。

 

元・隊員が派遣されたエリアで観た女性たちの多くは、

掃除、洗濯、料理などの家事や農作業、荷物運びなどの従事者が圧倒的で、

それらは、文字がわからなくてもできる仕事なのでした。

その反面、電気、ガス、水などインフラが貧弱な故に、

食事や就寝等、一家が必ず一緒に過ごすことになります。

(ご飯も1度に全員分作ってその場で食べなければいけない。

 日本のように、電子レンジもなければ、1人のおかずなどという

 贅沢なものもない)

なので、家族で同じ時間を過ごし、団欒する時間には恵まれ、

明るく、楽しそうに暮らす人々の姿があるそうです。

 

その一方で、富裕層の子どもたちは高い学費の私学に通い、

英語を身に着け、将来は国外に出て稼ぐというライフコースを辿るのだとか。

良い働き口が少ないネパールでは、

成功するには海外へというサクセスモデルがあるのだそうです。

それ故、英語ペラペラのネパール人も多いとのこと。

 

日本を振り返れば、インフラは整備され、電機も使いたい放題です。

個人化社会であり、モノに溢れ、世界中から来た食べ物を粗末にし、無駄に贅沢な暮らしをしています。

かといって、団欒があったり、明るく楽しい暮らしでいるかといえば、

ここは、もしかすると、ネパールとは反対になっているかもしれませんね。

 

そして、英語ペラペラの日本人がどれだけいるか? と思うと、

世界標準から外れている我々の暮らし…に、ハッと気づかされます。

 

物事は1つの物差しで捉えては間違えた理解になってしまうな。。。

 

これは、支援する際にもいえることで、

アジアの女性というテーマを越えて、

物事の本質をどう理解していくのか? という大きな投げかけをいただいた、

そんな授業になったように思います。

 

普段は聞けない貴重なお話を、どうもありがとうございました!!