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「ツリー ハウス」角田光代著 文藝春秋 2010.10 913.6 / KaMi (3階閲覧室)

2012.07.11

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この作品は、主人公の藤代良嗣が生まれ育ち三世代が暮らしている翡翠飯店から物語は始まる。祖父の死から良嗣は、自分たち家族がどんな経緯をたどって今ここにいるのか?そして、自分たち家族に普通ではない無気力感が覆っていることに疑問があふれだしてくる。そんな家族のルーツを探るべく祖母と行った過去(満州)への旅を通じて祖父母が戦中戦後、生き抜いてきた時代を辿りながら家族と向き合っていく。昭和・平成の時代背景の影響をリアルに受けながら生きていく藤代家。色々なものを失ってきた祖母であったが自分の人生を後悔することはなく「もし」なんていう選択肢はない今を信じる姿は力強くもあり説得力のあるものだった。この作品を読んでいくうちに藤代家が特別だということではなくそれぞれの家族には様々な形があり、歴史を知る大切さを考えさせられ一冊であった。長編小説だが、過去と現在が並行して話しは進み、読みやすい作品である。   (A)

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