図書館からのお知らせ

「しゃばけ」 畠中恵[著] 新潮文庫 2014.4

2018.01.25

変なタイトルですが、名誉・利得などの様々な欲望にとらわれる心という意味があります。この本は江戸を舞台に超身体の弱い若だんながいろんな事件に巻き込まれていく話で、話のなかに人の様々な感情や想いがちりばめられています。主人公(一太郎)は筋金入りに身体が弱く、その上人間と妖狐のクオーターで妖が見え、心配した祖母の妖狐が仁吉(白沢)・佐助(犬神)を送り込みます。2人は普段人間の姿で店の仕事をしていますが、若だんなのことになれば全てを後回しに飛んでいきます。大人になれるかわからないと言われても病と闘いながら、若だんなは真直ぐに生きようとします。また周りの人々や弱いものを救おうとして奔走して寝つき、仁吉に叱られ、苦い薬を飲みます。言葉遣いが江戸弁でわかりにくいですが、わかる言葉を読み進めていくうちに引き込まれてしまいます。ドキドキひやひやしたり、ちょっと怖かったり、こんな馬鹿なこと!と呆れたりするジャパニーズファンタジーです。シリーズが進むにつれ、若だんなは友人を持ち、恋も経験して、病と闘いながら、成長していきます。気に入れば、続編も読んでみてください。(R)

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「身近な妖怪ハンドブック」 川村易, OSAmoon著 文一総合出版 2012

2018.01.18

「妖怪」と言われて何を思い浮かべますか?河童やサトリ、一反木綿など、映画やドラマ、アニメなどでお馴染みの妖怪たちもこの本で紹介されています。
「あ、知ってる!」という妖怪も多かったけれど、聞いたことのない妖怪もたくさん居ました。中でも一番気になったのは「ぬっぺふほふ」。これ、呼びにくいですよね?のっぺらぼうの一種だそうです。言われてみればどことなく響きが似ていますね。出会った人は「あ!ぬっぺふほふだ!」とか言っていたのでしょうか。
私なら噛みそう・・・。
「身近な」妖怪ということで、出会えるならいつか会ってみたいと思うのは獏と猫又かな。獏は悪い夢を食べてくれるから。きっと良い妖怪。猫又は、しっぽが二つってなんか良いですよね。年を取った猫が変容するから賢そうだし。「本土狐」の項目に含まれていた妖狐も気になる。九尾の狐とか、すごくしっぽがもふもふしてそう。撫でたい!
「発見身近な妖怪」として紹介されている写真も楽しめます。気軽に読めるサイズな
のでぜひ手に取ってみてください。(t)
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