Koka's Heart

矢野 瑞穗

3足のわらじ

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3足のわらじ

子育ての真っ最中の32歳、友人と一緒に貸衣装のウェディングドレスを縫製する「アトリエミドー」を立ち上げた。裁断にウェイトを置く独自の方法や最新ミシンの導入などで縫い子さんの負担を軽減し、早く正確にドレスが仕上げられるようになった。誰に教わることもなく自分たちで考え工夫を凝らした結果だ。「アトリエミドー」のドレスは評判が良く、多い時で1カ月に150着のドレスを納品した。

女性の社会進出が言われる随分以前の話だ。嫁ぎ先の家業と家庭には絶対に迷惑をかけないと誓い、「自分の商売」、「家業のお茶販売の手伝い」、「子育て・家事」の3足のわらじを履いた。忙しくない訳がない。それでも、創意工夫で楽しみながら物事に取り組む精神は、京都光華の名物先生方に厳しく、そして優しく鍛えていただき、身についたのかもしれない。

母校とは縁が深く、現在は同窓会「ふかみぐさ」の会長を務めさせていただいている。同窓会役員になったころに言われた「母校の名を傷つけることは絶対にしないように」という言葉を深く胸に刻み、娘も孫もお世話になっている母校に恩返しをしていきたい。伝統を大切に新しいことを取り入れ、いつまでも〝光り輝く華〟のような母校であることを願って。

卒業生 矢野 瑞穗
卒業生矢野 瑞穗 Yano Mizuho

1964年、光華女子短期大学 家政科卒業後、有限会社矢野自作園に嫁ぐ。2人の娘を育てながら、アパレルメーカーを経て、友人と2人で「アトリエミドー」を起こす。現在は亡きご主人の跡を継ぎ、有限会社矢野自作園の取締役で、今も毎日京都最大のアーケード、三条会商店街の店頭に立つ。娘2人は京都光華高等学校出身(1人は京都光華女子大学短期大学部も卒業)、現在は孫2人が光華小学校に通学。1992年から京都光華女子大学 同窓会「ふかみぐさ」の京都支部の役員、2007年3月からは同窓会会長を務める。 ※ 大学・学科名は入学時のものです