昨日4回生の卒業論文提出の締切日を迎えた。ゼミでは3回生、4回生と2年がかりで、心理学の研究テーマを決定し論文を形作っていく。

卒業論文を書くためには、まず何に興味があ るのかじっくりと自分自身の内面と向き合う必要がある。この作業で学生達の知的能力が問われるのはもちろんだが、その取り組み方の姿勢には、日常の物事へ の関わり方の癖や性格まではっきりと表れてしまうため、中には苦しくなって途中で放棄しそうになる学生もいる。

しかし毎年ほとんどの学生が、とてもその人らしい悩みのプロセスを経て提出できている。卒業論文に取り組むことで、人として明らかに成長する学生はたくさんいる。いつもそこに、人間の活かされていない力の存在を強く感じる。

そして私自身もこの時期には、大学教員として仕事を投げ出さずにやっていこうと気持ちを新たにできるし、また、仕事を投げ出さないというだけでは人として前進することはできない、という厳しい現実に直面するのだ。

石谷　みつる　（2011年12月22日）