Koka's Heart

短期大学部 ライフデザイン学科

白のドレス

SWIPEしてご覧ください。

image image

白のドレス

我ながらよくやった。初めて作り上げた白いドレスを前に、完成させた達成感と作り終わってしまった寂しさを胸にして、怒涛の1カ月の余韻に浸った。ファッションショーが目前に迫る夜のことだった。

さかのぼること、2年生の4月。短大生にとっては最後の1年が始まる。短期大学部の学生リーダー組織D'*Lightの活動でマンスリーイベントの企画運営や、高知県嶺北地域活性化プロジェクト、学食メニュー開発で大忙しの中、オープンキャンパスのファッションショーで披露するドレス制作を先生から頼まれた。ショーは8月。「まだまだ余裕がある」と、他の活動に力を入れていたら、あっという間に7月がやってきた。高校生の頃から専門課程で服飾の勉強をしていたとはいえ、1カ月でドレスを作るのはとても大変だ。けれど弱気になっている場合じゃない。

ドレス雑誌を参考に、自分に似合うデザインを描き上げた。胸元にはたくさんの花、美しい後姿を演出するレース。出来上がりを想像するだけで楽しい。胸元を飾る花は一人暮らしの部屋で地道にコツコツと作っていった。入学したてのころは慣れずにホテルに泊まっているような感じがしたこの部屋も、今や私の城。たまに、いや、かなり頻繁にくる家族からのメールや電話で最近のあれこれを報告しながら、どんどん花を縫う。一見すると白だけど、よく見るとクリーム色、真っ白、いろんな白色の花がある。全部が完成したら、色のバランスを見ながら本体に縫いつけていく。朝9時から夜の9時まで、授業がない時間はファッション実習室にこもった。苦手な型紙作りは先生に手伝ってもらいながらも、何とか自分の力でやり遂げた。

白いドレスは特別だ。高校時代の卒業制作でもドレスを作る機会があった。だけど、白いドレスを作れるのは学年に一人だけで、残念ながら私は〝白〟を作ることができなかった。それを今、京都光華で完成させることができた。2年越しの願いが叶ったわけだ。私の夢はウェディングドレスのアトリエでソーイングスタッフとして働くこと。ドレスを眺めながら、夢と自分の距離を測ってみる。あともう少し、かかりそうだな。

私の人生のキーワード

“ライフデザイン学科コモンズ”

D*Light仲間と集まるこの場所は毎朝必ず立ち寄る部屋。先生や職員の方もいるため、自然と会話が増え、たくさんの活動に誘われた。オープンキャンパスのスタッフ、新入生研修リーダー、高校の先生対象の大学説明会でのプレゼンなど、コモンズがすべてのきっかけになった。

ライフデザイン学科コモンズ

“ザ・ウエディング ドレス”

見ているだけで心躍るドレス雑誌。さまざまなドレスのカラー写真がデザインの参考になる。最初の一冊は高校生の卒業制作のとき。短大のファッションショー用ドレス制作の際にも一冊手に入れた。大作の制作にはいつも欠かせない参考書。

ザ・ウエディング ドレス

“京都”

入学前から家族旅行で訪れることが多かった京都。3人兄妹の一番上の兄も京都の大学で学んでいた。私の進学後も両親は様子を見に来るという理由で京都旅行を楽しんでいる。入学当初は寂しくて泣いてしまうことも多かったけど、今では第二の故郷のように思っている。

京都
Message from Parents

「京都光華に行きたい。」と真弓から聞いたとき、「何も京都の大学じゃなくても…」というのが正直な気持ちでした。何もやらない子だから、一人で大丈夫かな?と心配していたけど、お父さんの予想は外れたみたい。入学してからはプレゼンやイベントで一生懸命活動していること、遠くから応援してるよ。これからもいろんな人からたくさん学んで、社会で立派に活躍できる女性になってほしいと思います。吉宏(父)、治代(母)

在学生 短期大学部 ライフデザイン学科
在学生H.M

短期大学部 ライフデザイン学科
(愛知県立 一宮高等学校出身)
愛知県一宮市出身。母は保育士で、父は高校教員。3人兄妹の末っ子。現在京都で一人暮らしをしている。ブライダルについて学べる専門学校と悩んだが、高校時代に椅子をデザインするコンテストで入賞したことや大学を勧める父の言葉により、ファッションやインテリアなど幅広い分野が学べる本学に進学。D*Light(学生リーダー組織)や、オープンキャンパススタッフ、新入生研修リーダーなどの活動に積極的に取り組んでいる。 ※2015年度取材