京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 京都文化心理学~香りのイメージ~

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京都文化心理学~香りのイメージ~

11月12日の「京都文化心理学」の授業で、前回の香り袋作りで作成した香り袋を持参し、自分や他の人の作った香りを試しながら、体験を振り返りました。

そのとき、“自分の作った香り袋の香りを嗅いで感じる印象”をSD法(semantic differential method)という、心理学でもよく用いられる方法を使って調査しました。

今回は、各人が好みの香りになるように調整しているので、少しずつ違った香りになったのですが(それについての記事はこちら)、参考までに、ベースとして同じ香りを選んだ19名のデータを集計してみました。

平均値を算出して、プロフィールに表したのが図1です。
(右の図をクリックすると大きく表示されます。)

図1より、「バニラの含まれる、現代向けにアレンジされた甘い香り」を作った女子大生は、この香りを「甘く、女性的で、さわやかではなく、上品である」と評価していることがわかりました。

また、相関係数(2つのことに互いに関係があることを数値で表したもの)を算出したところ、
●この香りが「好き」だと評価する人は、香りを嗅いだら落着き、
 癒やされると感じている
●「さわやかな香り」と「刺激的な香り」は相反するものと
 考えられる
●形容詞対「好きな―嫌いな」との相関から、甘い香り、
 さわやかな香りは好まれ、刺激的な香りは好まれにくい
といった可能性が示されました。

やっぱり「自分の“好きな香り”が“癒やされる香り”」なのではないかと思うのですが、そして、それはデータでも支持されそうなのですが、みなさんはどう思われますか?

心理学者は、こういったことをいろいろと考えるのが好きです。
自分の主観を大切にしながらも、他の人はどうなのかな、全体的な傾向はどうなのかな、と客観的に考えることで、理解できることも増え、世界が少し広がるような気がしませんか?