学長メッセージ

学長・副学長メッセージ

学長メッセージ

京都光華女子大学
京都光華女子大学短期大学部
学長一郷 正道

最近、「女性の自立」ということが喧伝されています。経済的に独立して自分の生活を支えられる、自分の意見をはっきり述べ自分で決断できる、他人に迷惑をかけない、などが、「自立」の内容のようです。経済的に健康的に精神的に自立することが、人生を豊かにする条件であるかのようです。つまり、「自立」とは、「自己の足で立つ」ことのようです。
しかし、実際のところ、私たちは自己の足で立って生きてゆけるのでしょうか。それは、本質的に不可能なことです。なぜならば、私たちは、時間的に空間的に、足の裏の大地をはじめ「他なるすべてのもの」とのつながり、かかわり、関係性の中にしか存在しえないからです。「他なるすべてのもの」とは、眼に見えるもののみならず眼に見えないものをも含みます。私たちは、「他なるすべてのもの」によって生かされている存在でありますから、生来、独立して自立することなどできないのです。他人に迷惑をかけざるを得ないのです。
自立不可能ということは、恥ずべきことではありません。お互いが、自立不可能な存在であると気づくことによって、他人への「おもいやり」が生ずるからです。そういう存在であることに気づくから、お互い、他者に寄り添う存在にならなければならないのです。
寄り添う中で私たちの自由は保証され、個人の意思も発揮できるのです。特に、皆さん方は、年若く、経済的に健康的に精神的に自立できる状況ではありません。
雛にとっての雌鶏のように、赤ちゃんにとってのお母さんのように、本学は、皆さん方一人ひとりに寄り添っていく、ぬくもりのある帰依処ともいうべき大学です。