先日、神奈川歯科大学資料館を訪れる機会がありましたので、展示してあるデンタルチェアーについてご紹介します。
「歯医者のいす」と聞くと、痛い、怖いイメージですよね。その「いす」は専門用語で「デンタルチェアー」といいます。
50年前のデンタルチェアーは、椅子の形態そのもので機械類がむき出しになっており、見ただけで痛みを感じさせるものでした。また、当時の医療側も立ち仕事が基本でした。
それに対して現代のデンタルチェアーは、座り心地がよく、患者さんと医療従事者の両方にとって使いやすさが重視されています。清潔感あふれる明るい色使いが、視覚から安心感を与えてくれます。
歯科治療も時代とともに変化してきました。以前は歯一本ずつの治療が中心でしたが、現在では一口腔全体を単位とした治療が一般的です。そして、治療の中心は治療から保存、さらには予防へとシフトしています。
超高齢社会、IT活用、人材不足、医療費高、今後の歯科医療に求められる課題はたくさんありますが、「歯医者のいす」が「健康になるためのいす」になる時代が来ることを期待したいです。