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学群Q&A

  • 人間健康学群では、どのような資格が取得できますか?
    人間健康学群では、社会学系、情報系、医療系の資格が取得できます。
    • グローカルプロジェクトマネジャー(GPM)/初級地域公共政策士

      グローカルプロジェクトマネジャー(GPM)は、京都にある複数の大学(京都産業大学、京都府立大学など)が連携して取り組む教育プログラムを履修することで取得できる資格です。グローカルセンターが資格発行機関となり、一般財団法人 地域公共人材開発機構(COLPU)が認証機関となっています。GPMを取得することで、初級地域公共政策士の資格も同時に取得することができます。
      本学は京都にある女子大学の中で唯一、この連携に加わるための申請を行っています。GPMを取得することで以下の①~③の能力を身につけ、「グローバル」な視点で物事を考える能力を兼ね備えつつ、地域経済・社会(「ローカル」)の持続的な発展に情熱を注ぐ人材を育成します。

      • *) 「グローカル」とは「グローバル」と「ローカル」を掛け合わせた言葉

      ① 課題解決力/突破力

      地域の課題に対し、調査・分析・フィールドワーク・提案書作成・プレゼンまで行うことで課題を乗り越える力、やり抜く力

      ② ビジネスマインド/公共マインド

      グローバルな視点で物事を考えるビジネス観と地域経済・社会の持続的発展に寄与する公共観

      ③ グループワーク力/自立性

      複数のグループで取り組み、課題提案まで行う過程において、協調性やリーダーシップ、自ら行動し発信する力

    • 社会福祉主事任用資格

      任用資格とは、公務員として特定の業務に任用されるときに必要となる資格です。したがって、社会福祉主事は、都道府県や市町村に置かれている福祉事務所のケースワーカー等として働く際に活きてくる資格です。

    • 情報処理士

      一般財団法人 全国大学実務教育協会が認定する資格です。現代社会において、仕事とコンピュータは切り離すことができません。情報処理やAI(人工知能)に関する知識・技術を仕事に活用する能力、統計分析等から課題を発見し、チームで課題を解決する実践力を身につけていることを示す資格になります。

    • 社会調査士

      一般財団法人 社会調査協会が認定する資格です。社会調査には、行政調査、社会福祉(事業)調査、市場調査、世論調査、学術調査等、さまざまな調査があります。社会調査士は、このような社会調査に必要な調査方法、データ分析等の知識・技術を用いて、世論や市場動向、社会事象等を捉えることのできる能力を身につけていることを示す資格になります。

    • メディカルクラーク/ドクターズクラーク

      メディカルクラークは、医療機関において診療報酬請求事務業務や窓口業務等、医療事務職として求められる能力を身につけていることを証明する資格です。また、ドクターズクラークは、医療機関において診療録等の医療文書を作成する業務に加え、医師の事務作業を補助する者として必要な基礎的知識・技能を身につけていることを証明する資格です。

    このほか、本学では、MOS(Microsoft Office Specialist)、秘書検定、簿記検定などの情報・ビジネス系の資格取得もサポートしています。

  • 人間健康学群では、人の健康をマネジメントするためにどのようなことを学びますか?
    人間健康学群では、人の健康をマネジメントするためにさまざまな視点から学んでいきます。専門科目は、「福祉と政策」、「人と心理」、「食べ物と栄養」の3領域に分かれており、健康課題の解決に多角的なアプローチをしていきます。今回は、これらの区分に置かれている代表的な科目について講義内容を示します。
    第1弾は「福祉と政策」から、第2弾は「人と心理」から、第3弾は「食べ物と栄養」からです。

    講義内容の紹介

    • 第1弾「福祉と政策」

      今回は、「福祉と政策」区分から「社会福祉の原理と政策Ⅰ」、「社会福祉の原理と政策Ⅱ」をご紹介します。この科目は、社会福祉に関わる問題と社会政策との関係を基礎から学ぶ重要な科目です。

      社会福祉の原理と政策Ⅰ

      人はどう生きるのか?そんなテーマに私たちは常に直面しています。どう生きたいか?どう生きるべきか?これらの問いは、時代とともに当然変化してきました。さらに、世界には様々な文化や価値観があるなかで、人はどう生きるのか?という問いが単純ではないこと、だからこそ向き合う価値があることは皆さんも想像できると思います。

      よりよく生きることは社会福祉におけるもっとも基本的な価値の1つです。その考え方を学ぶにあたり、まずは私たちが暮らす日本の社会福祉の歴史と福祉政策について学びます。その中で社会福祉の原理をめぐる思想・哲学がどのように醸成されていったのか、そこから派生する理論についても取り上げます。その背景として、他国の歴史的変遷にも触れていきます。
      現代を特徴づける社会問題として、貧困、失業、孤立、偏見と差別などを取り上げます。そして、社会構造の関係の視点から、自由と平等、自立と依存、フェミニズム、アンチ・レイシズム、社会的多様性、晩婚化・非婚化、性別役割分業、夫婦別姓、LGBTQ+他についても考えます。その上で、人々の生活上のニーズと福祉政策の過程を結びつけて総合的に習得することを目指します。

      社会意識と価値観の変化

      • 社会的多様性 里親制度の推進も
      • 晩婚化・非婚化(理由:経済的安定がない… 結婚しないできない)
      • 性別役割分業 育児休業 男性約6%
      • 選択的夫婦別姓制度
      • LGBTQ+同性パートナーシップ条例

      社会福祉の原理と政策Ⅱ

      私たちが健康に暮らす上で、福祉政策は根底を支える仕組みです。その福祉政策における概念や理念を理解するために、過去から現在に至る福祉政策の動向、海外の社会福祉の歴史と福祉政策について、この科目では学びます。実際の福祉サービスの供給と利用の過程について学習し、科目の最終到達点としては、福祉政策の国際比較の視点から、日本の福祉政策の特性や現状、課題そして今後の可能性について見通すことになります。
      そのために、多様な社会問題の現状とその要因について、そして地域にある社会資源やソーシャルキャピタル(社会関係資本)について、さらにソーシャルアクションの意義やその具体的な事例について触れていきます。

      カリキュラムには、福祉政策におけるニーズと資源、政策の実施過程、福祉政策の動向と課題 、包括的支援、福祉サービスの供給と利用過程、福祉政策の国際比較を行う上での視点と方法、福祉政策の類型(欧米、東アジア等)の理解が含まれます。
      「健康とは?」、「人間らしく生きるとは?」など、私たちの未来を考える上で欠かすことができない「問い」に出会い、その実現方法と、これまでの実践知から学びます。

      SDGs実施の5つの原則

      • ① 普遍性 先進国含めすべての国が行動する
      • ② 包摂性 人間の安全保障の理念を反映し誰一人取り残さない
      • ③ 参画性 すべてのステークホルダー(利害関係者)が役割を担う [ 政府、企業、NGO、有職者… ]
      • ④ 統合性 社会、経済、環境は不可分であり統合的に取り組む
      • ⑤ 透明性 モニタリング指標を定め定期的にフォローアップする

      → 経済成長、社会的包摂、環境保護

    • 第2弾「人と心理」

      今回は、「人と心理」区分から「臨床心理学入門」、「青年心理学」をご紹介します。いずれの科目もメンタルヘルスのサポートを行う上で必須の科目です。

      臨床心理学入門

      米国の精神分析学者E.H.エリクソンは、人間の心は生まれてから死を迎えるまで社会の影響を受けながら成長発達し続けると述べ、心理社会的発達段階として理論化しました。8つの発達段階とは「乳児期」、「幼児前期」、「幼児後期」、「学童期」、「青年期」、「成人期」、「壮年期」、「老年期」です。各発達段階にはそれぞれ「心理社会的危機」が存在し、人間はその危機を乗り越えることで力を身につけることができるといわれています。この授業では、まず、エリクソンの精神発達理論を学び、周囲の人のどのような関わりによって心が成長するのかを考えていきます。

      次に、心の健康と病理についての身近な話題を通して、心の不思議さや深さを学び、さらに理解を深めます。主なトピックとしては、「母と子の絆」、「トイレット・トレーニング」、「遊び」、「強迫症」、「ヒステリー」、「多重人格」などです。映画や小説に登場する人物の心のありようを見ながら一緒に考えてみたいと思います。

      青年心理学

      青年の心理的課題の一つに、「アイデンティティ(自我同一性)の確立」(E.H.エリクソン, 1950)があります。「アイデンティティの確立」とは、「自分が何者か」を納得・理解できることと言えます。もっと一般的な言葉で言えば、「どんな性格で、どんな姿(容姿)をしていて、家族や友達にはどんな人たちがいて、ふだんしていることや、したいことはこんなことがある」などと、自分自身の様々な側面を把握し、受け入れている状態と表現できます。
      このように、「わかるようで、わかりにくい」、ともすると抽象的で小難しくなって悩んでしまう内容が多いので、本学の授業では、青年期の心理特性について、自分や周囲の身近な出来事と照らし合わせ、なるべく具体的かつ体験的に理解できるような内容としています。
      特徴的な内容を一つ紹介すると、「マインドフルネス瞑想※1」を毎回実践し、静かに穏やかに自分を見つめ、自己理解を深める時間を設定します。ジャーナリング(書く瞑想)や呼吸瞑想(集中瞑想)などに取り組むと、まさに青年期を生きる自分自身の心を見つめる機会になり、その上、心身の緊張をときほぐしてリラクセーションを得る体験にもなります。※2
      受講する学生たちが自分自身に向き合い、個別具体的に人生の進み方や楽しみを考え、適応的に歩む力を少しでも育めるような授業を目指しています。

      • ※1 「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」(ジョン・カバット・ジン,1994)と定義され、こうした状態に至るための瞑想法を総称してマインドフルネス瞑想と呼びます。
      • ※2 感染症防止に向けた対策を講じた上で、授業の実施及び瞑想ワークを行っています。

      マインドフルネス瞑想指導のイメージ(課外ワークショップ)

      マインドフルネス瞑想指導を受講する学生(課外ワークショップ)

    • 第3弾「食べ物と栄養」

      今回は、「食べ物と栄養」区分から「基礎栄養学Ⅰ・Ⅱ」、「応用栄養学」をご紹介します。いずれの科目も人にとって栄養とは何か?を学ぶ科目です。

      基礎栄養学Ⅰ・Ⅱ

      「基礎栄養学」の授業についてご紹介したいと思います。
      まず、「栄養」と聞くと、みなさんは何をイメージされるでしょうか?食べ物に含まれているもの?身体に良い(悪い)もの?おいしいもの?…

      栄養学における「栄養」の定義は、「生物が外部から必要な物質を摂取し、それを利用して生体を維持し、生活する営みすべて」とされています。そして、この摂取される物質を「栄養素」といいます。みなさんがイメージされた「栄養」は、「栄養素」のことかもしれませんね。
      基礎栄養学では、この「栄養」について基礎的知識を習得し、栄養とヒトの健康の関連について、科学的に理解することを目的としています。具体的には、食欲や摂食、消化・吸収、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルといった五大栄養素の種類やはたらき、代謝などについて学んでいきます。
      化学や生物が苦手な人にとっては、難しく感じる授業でもあるようですが(笑)、

      • 毎食のごはんを、おまんじゅうに替えたら(どちらも炭水化物です)どうなるかな?
      • 脂質はダイエットの敵?じゃあ完全に取り除いたらいいのかな?
      • 「食べない」だけのダイエットは、どうしてよくないのかな?

      などといった疑問を投げかけ、基礎栄養学で学んだことを活かして自分なりの答えを見つけてみてねと伝えると、15回の授業を終える頃には、きちんと科学的な根拠・専門的知識に基づいた回答をしてくれるようになります。みなさんも一緒にこの答えを見つけてみませんか?
      みなさんと一緒に光華で学べる日を心待ちにしています!

      応用栄養学

      「応用栄養学」の授業についてご紹介したいと思います。
      基礎栄養学のご紹介をしましたが、“応用”栄養学と聞くと何を応用するのだ?…と思われるかもしれませんね(笑)。応用栄養学では、成長や発達、加齢に伴う人の機能の変化や疾病を理解し、ライフステージに応じた栄養状態の評価やケア、栄養管理について学びます。
      新生児期・乳児期についての授業では、市販されているベビーフードを食べてみよう!という課題を出していますが、月齢によって使われている食材や調理方法、形状やかたさ、味付けが異なることを自分で食べて体感することで、講義で学ぶ乳児期の生理的な特徴や発達・発育の過程についてのイメージが湧きやすくなるようです。

      これまでに学生から提出された感想を見ていると、「先生の言っていた“赤ちゃんは大人をただ小さくしたものではない”ということが体感としてよくわかった」という声のほかに、「この形状のほうが与えやすいと思う」、「離乳食のかたさや味付けがわからない場合の参考にするとよいと思った」などといった保育者からの視点での声があげられたりもします。
      自分自身や身近な人にも活かせる学びになる、「応用栄養学」を一緒に勉強しませんか? みなさんと一緒に光華で過ごせる日を楽しみにしています。