京都光華で
“こども”に寄り添う
作業療法士に

建学の精神「仏教精神に基づく女子教育」のもと、他者を配慮し、思いやる心を持ち、人生のあらゆるライフステージにおける「こころ」と「からだ」のリハビリテーション専門職として、その人らしく生き生きとした生活を送れるよう支援する人材を養成。
高齢者の支援だけでなく、こどもの発達障害に強い作業療法士を養成します。「発達障害リハビリテーション」を学ぶことで、発達障害児とその家族の共育ちを目指し、それぞれの特性を生かした作業療法や、作業療法を通して家族を支援する力を身につけます。

京都光華ならではの
学び特色

  • Point01

    一人ひとりの患者さんに向き合い寄り添う作業療法士を養成

    仏教精神のもと「思いやりの心」を育む教育を基本としている本学では、独自科目を開講し、患者さんなどの対象者だけでなく自らにもその心を向け、全人的なケアができる力を持つ医療従事者を養成しています。既に設置している看護学科などでもこうした教育を展開し、医療現場から高い評価をいただいています。

    科目例

    仏教の人間観Ⅰ・Ⅱ、仏教と医療福祉、ターミナルケア など

  • Point02

    在宅医療サービスに通ずる人材の養成

    近年、がんや認知症、難病のある患者、精神障害・発達障害を持つ患者等、疾病や傷病のため通院による療養が困難なケースが増加し、在宅医療のニーズは年々高まっています。本学では眼の前の患者さんの状態に合わせてその場での判断や応用していく能力とともに、在宅医療サービスに関する法律や制度、管理体系等を学び、訪問リハビリステーションサービスを含めた在宅医療サービスに通じた作業療法士を養成します。

  • Point03

    多様な人材と協働し、多彩な機関で活躍できる
    国際感覚とコミュニケーション能力を獲得

    グローバル化が進むなか作業療法は、年齢、性別が異なるだけでなく、多様な国籍、文化、価値観を持つ人も対象となります。本学では多国籍の専門職とも協働して作業療法にあたれる人材を育成し、医療福祉、教育現場のみならず、民間企業や国際機関などでも医療専門職の知識を生かして働ける人材を養成します。

    国際リハビリテーション

    この授業では、本学でオンライン授業を聴講し、その後渡航して英語で授業を受講、病院での見学実習に参加します。諸外国における保健・医療・福祉の現状や海外の作業療法実践について学ぶことができます。海外の作業療法を学ぶ学生と交流できることも特長です。

  • Point04

    豊富な作業療法の臨床経験と教育経験を有するエキスパートによる実践的で深い学び

    本学の教員は豊富な臨床現場での経験と質の高い研究業績を有する作業療法のエキスパートで、作業療法の4分野である身体障害(運動機能や関節障害など)、精神障害(気分障害やアルコール依存症など)、老年期障害(認知症など)、発達障害(自閉症・学習障害・脳性麻痺など)をはじめ、解剖学や生理学といった基礎医学知識について高い専門性を持っています。これらエキスパートによる丁寧で分かりやすい指導により、実践的で深い学びを提供します。

  • 取得可能な資格

    ● 作業療法士(国家試験受験資格)

  • 想定する進路

    ● 児童発達支援センター
    ● 特別支援学校
    ● 医療施設(病院)
    ● 介護保険施設

    ● 職業センター
    ● 一般企業
    (福祉用具開発メーカー等)
    など

  • 学費

    入学金
    250,000
    授業料他
    1,400,000
    初年次 納付金合計
    1,650,000

作業療法士とは?

「こころ」と「からだ」の
リハビリテーション専門職

“作業”とは「食事」「料理」「服を着る」「字を書く」など、人が関わるすべての諸活動のことを指します。作業療法士は、病気やけが、認知症など、さまざまな要因で“作業”が行えなくなった方を対象に治療を行う専門職。その人らしく生き生きとした生活を送れるよう支援するため、身体的機能だけでなく、「精神」に対しても治療を行います。

対象者 仕事内容
作業
療法士
身体または精神に
障がいがある方
基本的動作能力・応用的動作能力(例:入浴、歯磨き、文字を書く等)社会的適応能力の維持・改善に向けた治療・指導・援助
理学
療法士
身体に障がいがある方 基本的動作能力(例:立つ・歩く・座る等)の回復や維持および障害の悪化の予防
  • 「作業」とは?
  • 作業療法の目標
  • 作業療法士の活躍の場

「作業」とは?

食べたり、お風呂に入ったり、歯磨きをしたり…
人の日常生活に関わる全ての諸活動を「作業」と呼んでいます。

  • 日常的な生活行為
  • 仕事
  • 家事
  • 地域活動
  • 余暇
  • など

作業療法の目標

作業療法は「その人らしい」生活の獲得を目標に
「基本的動作能力」「応用的動作能力」「社会的適応能力」の維持・改善を図ります。

  • 「基本的動作能力」

    運動や感覚・知覚、
    精神・認知などの心身機能

  • 「応用的動作能力」

    食事やトイレ、家事などの
    日常で必要となる活動

  • 「社会的適応能力」

    地域活動への参加、就学・就労

作業療法士の活躍の場

医療や福祉・介護の現場はもちろん、
保健・教育・就労支援など社会のあらゆる場所で活躍できます。

  • 医療:病院/クリニック…
  • 福祉:児童発達支援センター…
  • 介護:介護老人保健施設/デイケア…
  • 労働:ハローワーク/就業・生活支援センター…
  • 保健:保健所/地域包括支援センター
  • 教育:特別支援学校/教育委員会…
  • 司法:医療刑務所/保護観察所… など

作業療法士の声

株式会社ハッピーサービスグループ
発達支援リハスタジオ ハッピーリングplus

児童発達支援・放課後等のデイサービスの通所施設で勤務し、生活のしにくさ・困りごとがある子どもたちを対象に支援を行っています。当事業所では、言語聴覚士・保育士等の他職種と連携する機会も多く、各職種の強みを理解し、相手を尊重する気持ちを持つことで、多職種連携の強みが発揮できると考えます。
作業療法士は、作業を用いることで身体だけでなく精神面にも働きかけ、乳幼児から高齢の方まで支援することができます。さまざまな利用者さんと接するため、相手の立場に立って考えること、相手のことを深く知りたいと思う気持ちを持つことが大切です。また、利用者さんと共に目標に向かって前進していく仕事であるため、相手の小さな変化に気づき、“嬉しい”や“幸せ”と思う気持ちに寄り添い、共に喜ぶことができる人に向いている仕事だと思います。

京都大原記念病院

私は病棟で作業療法士として、患者さんにとって必要な生活や作業の獲得に向けてリハビリテーションを行っています。
作業療法士に求められる力はコミュニケーション能力です。退院後も患者さんがその人らしく過ごせるよう退院支援をスムーズに行うためには、患者さんやご家族の方々の意向や入院時のリハビリ進捗状況、生活状況を医師や看護師、社会福祉士といった多職種間で共有し、より早期から退院後の生活をイメージしながら連携していくことが重要です。コミュニケーション能力を磨くため、学生時代に自分から積極的にさまざまなことにチャレンジし、コミュニケーションの材料集めに取り組んでみてください。

作業療法士養成の
最新の施設設備が
整備された学習環境

  • 新棟と慈光館

    福祉リハビリテーション学科のコモンズや先生方の研究室があり、作業療法専攻の学びの拠点となるのが慈光館です。また、新棟には学内実習を行う作業療法実習室Ⅰ・Ⅱや一般教室、フィットネスなどがあります。

  • 作業療法実習室Ⅰ新棟

    主に解剖学、生理学、運動学を学習する教室。さまざまな機器(トレッドミル、自転車エルゴメーター、心肺運動負荷モニタリングシステム)で実験を行い、ヒトの生体反応についても学びます。

    トレッドミル
    自転車エルゴメーター
    心肺運動負荷
    モニタリングシステム
  • 作業療法実習室Ⅱ新棟

    実際に体を動かす治療や訓練を学ぶ教室。乳児期・幼児期における発達段階を学ぶため、さまざまな遊具等を設置しています。

  • ADL室新棟

    ハンディを持つ人の日常生活行動を学ぶ教室で、バス、キッチン、トイレなどの標準的な家庭の設備があり、対象者が快適な生活を送るための実践的な授業を行います。

  • コモンズ慈光館

    福祉リハビリテーション学科の学生同士が学び合い、教員とも気軽にコミュニケーションを取ることのできる空間です。

※写真はイメージです。変更になる場合があります。

PICK UP! 科目

伝統文化を通して作業技術を学ぶ京都伝統文化作業技術論

茶道や華道、和菓子づくりなど、京都の伝統文化に触れながら、それらが心身にどのような影響を与えるかについて学びます。一つひとつの動作を作業と捉え、その作業技術の構造を「道具、材料、工程」に分けて分析することで、さまざまな視点から作業技術を捉える力を養います。京都の伝統文化に裏付けされた意味のある作業を理解することで、人間としての生きる力も身につけます。

実習先

国立大学附属病院や公立病院、大規模総合病院から介護・福祉・児童施設までの多彩な実習先

〔主な実習先〕

京都市立病院、滋賀医科大学医学部附属病院、武田病院グループ、宇治徳洲会病院、京都大原記念病院、京都桂病院、京都リハビリテーション病院、済生会京都府病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、児童福祉施設など多数

PROFESSOR’S VOICE

リハビリテーションに役立つ知識だけでなく、
人間として豊かに生きる力も養う。

作業療法専攻では、人生のあらゆるステージにある方が生き生きと過ごせるように「こころとからだ」を支えるリハビリテーションについて学ぶことができます。また、対象者や患者さんの生活に役立つだけでなく、作業療法士になる皆さんの人生を豊かにする学問も学べます。たとえば、「京都伝統文化作業技術論」では、茶道や生け花、和菓子づくりなど、京都の伝統文化に触れながら、それらが心身にどのような影響を与えるかについて学びます。「メイクケアセラピー」では、医学におけるメイクと化粧行動・化粧心理学を学び、「身体機能作業療法学」では最新の医療機器を使って医療現場で使える技術を習得します。作品づくりやスポーツ、ゲームに漫画など、一見ただの趣味のように思えることも、すべて作業療法に活かせる「意味のある作業」です。大学4年間のうちに多様な「意味のある作業」を経験することで、知識や技術だけでなく人間としての生きる力を身に付けてほしいと考えています。建学の精神である「慈悲の心」をもって悩める人々に寄り添い絶えず自己研鑽していく医療人の育成を目指しています。

森本 かえで 教授
神戸大学大学院 医学系研究科修了 博士(保健学)

Well-Beingの実現のため、
さらなる需要が拡大

すべての人が安心して暮らせるWell-Beingな社会において、身体のリハビリだけでなく、
多様化・複雑化する社会・日常生活に対する「生きづらさ」を感じている方の心の拠り所となるケアを担う作業療法士。
その活躍の場は医療、介護、福祉の領域をはじめ、行政・地域が担う地域包括センター、
教育、労働、司法などの領域にも広がっています。
精神疾患を抱えた患者さんや発達障害を抱える児童に対する支援を行うなど、治療だけでなく予防的な働きかけや、
学校での教育支援や社会復帰の支援など、幅広い役割において、ますます需要が拡大していくと考えられています。
また、認知症患者も増加の一途をたどり、認知症に対する作業療法や、
地域における認知症予防に対する働きかけにおいても作業療法士が担う役割の必要性が
さらに高まっていくことが考えられています。