子どもから高齢者、災害時にいたるまで
多様な現場で活躍できる作業療法士を目指す

京都光華で“こども”に寄り添う作業療法士に

京都光華で“こども”に
寄り添う作業療法士に

建学の精神「仏教精神に基づく女子教育」のもと、他者を配慮し、思いやる心を持ち、人生のあらゆるライフステージにおける「こころ」と「からだ」のリハビリテーション専門職として、その人らしく生き生きとした生活を送れるよう支援する人材を養成。
高齢者の支援だけでなく、こどもの発達障害に強い作業療法士を養成します。「発達障害リハビリテーション」を学ぶことで、発達障害児とその家族の共育ちを目指し、それぞれの特性を生かした作業療法や、作業療法を通して家族を支援する力を身につけます。

学びと特色

Feature

01

日本に14人しかいない専門作業療法士(特別支援教育)が在籍

実践的な子どもの
リハビリテーションを学べる

通常の作業療法に加え、子どもたちの自発性を育み、成功体験を積むことのできる“遊び”や“料理”“音楽”などを通した作業療法で、子どもの「こころ」「からだ」「生活」への支援に必要な力をさまざまな角度から学びます。また、日本に14人しかいない専門作業療法士(特別支援教育)の1人が専任教員として在籍。子どもの発達障害に強い作業療法士を養成します。
※2024年4月1日時点。

02

地域災害リハビリテーションや
安全危機管理を学び

災害支援の場で活躍できる
作業療法士に

作業療法士の視点は、さまざまな災害支援の場でも必要とされ、有事の際に活躍できる作業療法士への期待が高まっています。地域災害リハビリテーションの授業では、避難所でのダンボールベッドを使用した就寝や災害料理の体験を通して、災害への備えや災害支援において、臨機応変に対応できる力を習得します。

03

海外の大学での病院見学実習を体験

国際リハビリテーションを学び、
世界で活躍できる作業療法士に

グローバル化の中、作業療法は多様な国籍や文化を持つ人々を対象にし、国際的な専門職とも協働します。だからこそ、本学では医療福祉や教育現場だけでなく、民間企業や国際機関で活躍できる人材を育成することに注力しています。国際リハビリテーションの授業では、オンライン授業の受講に加え、シンガポールへ渡航して英語での授業や、現地の病院見学実習に参加。海外の作業療法を学ぶ学生との交流も行い、より広い視野と国際的な視点を身につけます。
※渡航先は変更になる場合があります。 ※希望者のみ受講。

04

苦手分野を克服し、
一人ひとりを合格に導く

早期臨床実習・国家試験対策

他の養成校では4年次で行われることの多い総合臨床実習を、本学では3年次のカリキュラムから組み込むことで、4年次は早期から国家試験対策に集中して取り組むことができます。 国家試験対策については、1年次から一人ひとりに合わせた指導を積み重ね、合格へと導きます。

  • 取得可能な資格

    ● 作業療法士(国家試験受験資格)

    ● 初級パラスポーツ指導員

    ※他学科の教育課程を受講することで取得可能。

  • 想定する進路

    ● 児童発達支援センター
    ● 特別支援学校
    ● 医療施設(病院)
    ● 介護保険施設

    ● 職業センター
    ● 一般企業
    (福祉用具開発メーカー等)
    など

「作業療法士」って
どんな仕事?

「こころ」と「からだ」の
リハビリテーション専門職

“作業”とは「食事」「料理」「服を着る」「字を書く」など、人が関わるすべての諸活動のことを指します。作業療法士は、病気やけが、認知症など、さまざまな要因で“作業”が行えなくなった方を対象に治療を行う専門職で、身体的機能だけでなく、「精神」に対しても治療を行います。

対象者 仕事内容
作業療法士 身体または精神に
障がいがある方
基本的動作能力・応用的動作能力(例:入浴、歯磨き、文字を書く等)社会的適応能力の維持・改善に向けた治療・指導・援助
理学療法士 身体に障がいがある方 基本的動作能力(例:立つ・歩く・座る等)の回復や維持および障害の悪化の予防
  • 「作業」とは?
  • 作業療法の目標
  • 作業療法の対象
  • 作業療法士の活躍の場

「作業」とは?

食べたり、お風呂に入ったり、歯磨きをしたり...
人の日常生活に関わる全ての諸活動を「作業」と呼んでいます。

  • 日常的な
    生活行為
  • 仕事
  • 家事
  • 地域活動
  • 余暇
  • など

作業療法の目標

作業療法は「その人らしい」生活の獲得を目標に
「基本的動作能力」「応用的動作能力」「社会的適応能力」の維持・改善を図ります。

  • 「基本的動作能力」

    運動や感覚・知覚、精神・認知などの心身機能

  • 「応用的動作能力」

    食事やトイレ、家事などの日常で必要となる活動

  • 「社会的適応能力」

    地域活動への参加、就学・就労

作業療法の対象

こころ
統合失調症、気分(感情)障害 など
からだ
脳卒中、脊髄損傷、高次脳機能障害 など
人生のあらゆるステージで
発達期
脳性麻痺、注意欠陥・多動性障害、
ダウン症候群 など
高齢期
認知症、骨・関節障害 など

作業療法士の活躍の場

医療や福祉・介護の現場はもちろん、
保健・教育・就労支援など社会のあらゆる場所で活躍できます。

  • 医療:病院/クリニック…
  • 福祉:児童発達支援センター…
  • 介護:介護老人保健施設/デイケア…
  • 労働:ハローワーク/就業・生活支援センター…
  • 保健:保健所/地域包括支援センター
  • 教育:特別支援学校/教育委員会…
  • 司法:医療刑務所/保護観察所… など

ピックアップ科目

Pick up Class

  • メディカルメイクセラピー

    化粧療法を用いたアピアランスケアを実践的に学ぶ

    アピアランス(外見)の変化が起きた際に行うケアをアピアランスケアと言います。本学では、“その人らしい生活”を送るための支援のひとつとして化粧療法(メディカルメイクセラピー)を学びます。

  • 運動学

    美容や活動に必要な筋力について考える

    運動学とは、運動の力学的な観点、運動に必要な筋・骨格系、神経系、姿勢、歩行について学びます。例えば、「美容と筋力」で考えると筋力トレーニングが美肌に貢献するなどの研究も報告されています。モデルウォーキングは医学的に見ると立位姿勢では上半身はやや後方に向いていて、身体への負担がわかります。授業では姿勢の安定性も平衡機能計を使って計測します。

4年間のカリキュラム

Curriculum

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学生の実践的な取組紹介

Topics

京都・滋賀トップレベルの専門職養成体制
他学科との多職種連携教育が充実

作業療法士が向き合う人は、複数の疾患や問題を併せ持つことがあり、さまざまな面からの援助が必要な場合があります。そのため、看護師をはじめ、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士、公認心理師、学校教員や保育士などとの連携が不可欠です。本学の保健・医療・福祉分野の専門職養成の幅の広さは京都・滋賀地区トップレベル。さらに、同一敷地内に幼稚園から高校までを設置しているため、より実践的な多職種連携教育を行うことが可能です。

作業療法士養成の最新の施設設備が整備された学習環境
  • 新棟と慈光館

    福祉リハビリテーション学科のコモンズや先生方の研究室があり、作業療法専攻の学びの拠点となるのが慈光館です。また、新棟には学内実習を行う作業療法実習室や日常生活活動訓練室、フィットネスなどがあります。

  • 日常生活活動訓練室

    主に解剖学、生理学、運動学を学習する教室。さまざまな機器(トレッドミル、自転車エルゴメーター、心肺運動負荷モニタリングシステム)で実験を行い、ヒトの生体反応についても学びます。

  • 作業療法実習室

    実際に体を動かす治療や訓練を学ぶ教室。乳児期・幼児期における発達段階を学ぶため、さまざまな遊具等を設置しています。

  • 評価実習室

    ハンディを持つ人の日常生活行動を学ぶ教室で、バス、キッチン、トイレなどの標準的な家庭の設備があり、対象者が快適な生活を送るための実践的な授業を行います。

  • コモンズ

    福祉リハビリテーション学科の学生同士が学び合い、教員とも気軽にコミュニケーションを取ることのできる空間です。

新校舎「光耀館」紹介動画

現場で活躍する作業療法士

Interview

  • 総合リハビリテーション病院

    京都大原記念病院

  • 児童福祉

    株式会社ハッピーサービスグループ
    発達支援リハスタジオ
    ハッピーリングplus

総合リハビリテーション病院

京都大原記念病院

私は病棟で作業療法士として、患者さんにとって必要な生活や作業の獲得に向けてのリハビリテーションを行っています。作業療法士に求められる力はコミュニケーション能力です。退院後も患者さんがその人らしく過ごせるよう退院支援をスムーズに行うためには、患者さんやご家族の方々の意向や入院時のリハビリ進捗状況、生活状況を医師や看護師、社会福祉士といった多職種間で共有し、より早期から退院後の生活をイメージしながら連携していくことが重要です。コミュニケーション能力を磨くため、学生時代に自分から積極的にさまざまなことにチャレンジし、コミュニケーションの材料集めに取り組んでみてください。

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児童福祉

株式会社ハッピーサービスグループ
発達支援リハスタジオ
ハッピーリングplus

児童発達支援・放課後等のデイサービスの通所施設で勤務し、生活のしにくさ・困りごとがある子どもたちを対象に支援を行っています。当事業所では、言語聴覚士・保育士等の他職種と連携する機会も多く、各職種の強みを理解し、相手を尊重する気持ちを持つことで、多職種連携の強みが発揮できると考えます。作業療法士は、作業を用いることで身体だけでなく精神面にも働きかけ、乳幼児から高齢の方まで支援することができます。さまざまな利用者さんと接するため、相手の立場に立って考えること、相手のことを深く知りたいと思う気持ちを持つことが大切です。また、利用者さんと共に目標に向かって前進していく仕事であるため、相手の小さな変化に気づき、“嬉しい”や“幸せ”と思う気持ちに寄り添い、共に喜ぶことができる人に向いている仕事だと思います。

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教員からの声

リハビリテーションに役立つ知識や学習だけではなく、
人間として豊かに生きる力と慈悲の心を養う。

作業療法専攻では、人生のあらゆるステージにある方が生き生きと過ごせるように「こころとからだ」を支えるリハビリテーションについて学ぶことができます。また、患者様の生活に役立つだけではなく、作業療法士になる皆さんの人生を豊かにする学問も学べます。たとえば、「メディカルメイクセラピー」では、化粧やメイクケアなどが心身にどのような影響を与えるかについて学びます。建学の精神である「慈悲の心」をもって悩める人々に寄り添い、絶えず自己研鑽していく医療人の育成を目指しています。

森本 かえで 教授