前回に続き(part1こちらをクリックしてご覧ください)石川さんのご紹介です。今回は、現在の栄養士としての業務について教えていただきます。
☆今は栄養士としてどのような業務をしていますか?
京都の社会福祉法人に入職し、現在はデイサービス・グループホーム・小規模多機能型居宅介護・サービス付き高齢者住宅といった様々なサービス形態が集まった施設で、それぞれのご利用者様に向けた食事提供を担っています。
主に本部の厨房から調理済みのものが届くクックチル・クックフリーズシステムを導入しており、提供前に検食を行っています。
味や大きさ、硬さ等、高齢者のご利用者にとって食べやすく美味しく安全であるかを確認します。
美味しそうに見える盛り付け方についても日々考えて盛り付けを行っています。
季節の松花堂弁当や手作りおやつ、通常献立にない特別メニュー、誕生日ケーキ等は施設独自で起案書をまとめ、食材の発注を行い、調理・盛り付けを行っています。
調理だけでなく、フロアでの見守りや、お茶だし、検温、お話しを通してご利用者と関わる時間も大切な仕事です。
☆今の職場を選んだ理由は?
調理師の祖母が作ってくれる美味しいごはんの影響で食べることが大好きになった私は、人を幸せに出来るお食事を考えて作れる人になりたい!と栄養士を志すようになりました。
大学1年生の夏に久しぶりに祖父母に会いに行きましたが、その直後に祖母がくも膜下出血で倒れ、認知症になり、施設暮らしへと生活が一変してしまいました。
その事がきっかけとなり、高齢者のお食事に関わりたいと強く思うようになりました。
現在の職場は、自分で作ってみたいもの、新しくやってみたいイベント企画等、何でも挑戦させてもらえます。
様々な事業所サービスが揃った地域密着型の大きな法人であり、同世代の栄養士・管理栄養士・調理師も活躍しています。
産休や育休を取得後、仕事復帰されている女性の先輩職員が多いことも心強いポイントです。
何よりも、「昔ながらの家庭味のごはん」を調理・提供している点に魅力を感じました。
☆今の仕事をするうえでのやり甲斐や苦労は?
「美味しいよ。ありがとう。」の言葉がやり甲斐になっています。
職場には、私の何倍もの人生を生きてこられたご利用者様が沢山いらっしゃいます。
そんな方々に自分が作ったごはんで喜んでいただけると心から嬉しくなります。
初めは緊張してなかなか上手にお話が出来ませんでしたが、少しずつ顔と名前を覚えていただき、いつも美味しいものを作ってくれる子として認識していただけるようになりました。
「今日は何を作ってくれるの?」とお声がけいただくこともあり、ご利用者様とのお食事を通した関わりが本当に楽しく、やり甲斐を感じています。
私達が当たり前に美味しく食べるサクサクの揚げ物やシャキシャキの葉物の小鉢、食感がアクセントとなる種実類、弾力が良い練り製品は高齢者にとっては大変食べづらいものです。
食嗜好や食べられるものがご利用者によって異なるので、日々のコミュニケーションや、介護職員・看護師との情報共有で体調や喫食状況を把握しなければいけません。
ご利用者お一人お一人に寄り添った食事提供が出来るように日々努めています。
☆学生時代にやっておいて良かったこと、やっておけば良かったと思うことは?
インターンシップでデイサービスの施設に行かせていただき学んだことは、現在の業務と直結し、非常に良かったと感じています。
ご利用者が来所されてからの一連の流れや、声かけで気をつけるポイント等、イメージを持っているだけで現場に早く打ち解けることができました。
栄養士業務は絶対に1人では出来ません。学生時代の様々な取り組みで人との繋がりや関わりを作る経験をしておいて良かったと思っています。
やっておけば良かったと思う事としては、学生時代に食材や調理法を調べてもっと多くの引き出しを持っておけばよかったと思います。
石川さん、ありがとうございます♥
次回は、管理栄養士国家試験受験についてご紹介いただきます★