栄養学実験では、栄養素の消化・吸収および代謝機構について学びます。酵母を使ったグルコースの代謝に関する実験について紹介します。
胃や小腸にある消化酵素によって、でんぷんが分解されると、グルコースが生じます。酵母は、酸素がある状態では、ヒトの細胞と同じようにグルコースを分解してピルビン酸にし、最終的に二酸化酸素と水にします。酸素がない場合、ピルビン酸はアセトアルデヒドに変え、アルコールを作ります。このピルビン酸をアセトアルデヒドに変換する酵素は、周りの環境によって働きが変わります。
この酵素の働きを確認するため、弱酸性と弱アルカリ性の溶液に酵母とグルコースを入れて、ピルビン酸の産生量を測定しました。
他にも、栄養学実験では、アミノ酸の味や匂いを知るために、市販のアミノ酸製剤の試飲を行ったりもしています。このように、口から食べ物が入って、胃や小腸で分解・吸収され、どのように利用されているかについて、実際に確かめることを意識して取り組んでいます。