みなさん、こんにちは。
管理栄養士専攻の岩中です。
本日は岩中ゼミの令和3年度の研究成果報告をさせていただきます。
京都大学の横川拓海先生、立命館大学の橋本健志先生と共同で行った研究が、国際学術誌「Physiological Reports」に原著論文として受理されました。
しかも既に他の論文に引用されており、苦労して掲載された論文が注目されることは、研究に携わる者としては嬉しい限りです。(^^)
(論文の概要)
筋肉が赤いのは、ミオグロビンというタンパク質が含まれるためですが、ただ単に赤くしているだけではありません。
ミオグロビンの大切な働きは、酸素を筋肉に貯蔵することです。
私達は、ミオグロビンがあるおかげで長い時間、運動することができるのです。
しかしながら、「ミオグロビンがどのようにして増えるのか?」その詳しいメカニズムについて、実は詳しいメカニズムがわかっていません。
そこで、運動パフォーマンスの向上効果や糖代謝亢進効果に注目されているカフェインを使い、ミオグロビンが増えるのか検証してみました。
カフェインを含んだ培養液で骨格筋細胞を培養したところ、細胞内のミオグロビン量は増加し、この作用には細胞内cAMPシグナルの高まりが深く関わっていることが明らかとなりました。
本研究成果により、カフェインの健康促進効果に関わる研究がより一層進むと期待されます。
Takumi Yokokawa, Takeshi Hashimoto, and Nobumasa Iwanaka. “Caffeine increases myoglobin expression via the cyclic AMP pathway in L6 myotubes.” Physiological reports 9, no. 9 (2021): e14869.
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.14814/phy2.14869