「生徒指導論(初等)」は3年生の学校教育コースの学生が履修している小学校教諭一種免許状取得に必須の科目です。今年度はオンライン(オンデマンド型)授業として始まりました。初回の授業では,「生徒指導とは何か」です。「生徒指導」と聞くとなんだか「こわい」「怒られる」というようなイメージが浮かびます(違いますか?)が,そうではないということを学びます。すなわち「単なる児童生徒の問題行動への対応という,いわば消極的な面だけにとどまるものではない。自己実現をめざして,学校教育のあらゆる教育活動の場において発揮される教育機能」なのです。問題のある子どもに対して後から行われるものではなくって,すべての児童生徒がよりよい自分になるために手助けをするのだということですね。未来志向とも言えますね。
9月の教育実習を控えた学生は,生徒指導に関わる自分の過去の経験を思い出しながら,「生徒指導においてどのようなことが重視されるべきだと思うか」についてじっくりと考えてもらいました。一部の学生のコメントを紹介します。
Cさん:私は生徒指導はただ服装や行動に違反している生徒に生徒指導の先生が怒るものだと思っていました。しかし、授業を受けてみてそれが目的ではないことが分かりました。生徒指導において重視されるべきことは、生徒のことをよく知り、生徒の能力・態度を、より卓越した状態にまで発達させることだと思います。生徒のことを一人一人把握したうえで、ルールや規則に従って生活できるようにすることが大切ではないのかと考えました。
Dさん:一人ひとりの個性や人格を尊重し、それを認めながら、個人の成長につながる指導をしていくことが重視されるべきだと思います。一人ひとりの性格や持っている能力は違うと思います。だからこそ、児童生徒一人ひとりの違いを把握し、認めていくことで、どのように指導したらその子自身が過ごしやすい環境になるのかが浮かび上がってくると思うので、個々の人格を尊重することは大切だと思いました。
本来はなぜそう考えるかを受講生同士で話し合ってもらいたいところです。こうした話し合いをオンラインで実施するのが今後の課題です。