2021.09.27 こども教育の学び

<授業紹介> 社会福祉

幼児教育コースの1年生は、前期に保育士資格を取得するための必修科目である「社会福祉」を学びます。とりあげるテーマは、少子高齢社会、貧困、障害、権利擁護、地域福祉の推進等、多様です。

15回のオンデマンド授業を終えて、「社会福祉」を学んだ自分の変化について学生のみなさんに考えてもらいました。提出されたコメント(一部抜粋)をご紹介します。

【Aさんのコメント】

私は、最初、社会福祉は保育に関係ないと思ってあまりやる気が出ていませんでした。しかし、授業を受けていくうちに保育にも大きく関係していると思い、毎回の音声を真剣に聞き、自分が保育者になったときのことを考えるようになりました。私が、保育者になったときに障害のある子どもまたは、障害のある保護者、家族がいるという人とも出会うと思います。そのときにこの社会福祉の授業を受けていなかったら何もサポートができない、気づけないということがあったかもしれません。でも、この社会福祉の授業を受けて、障害者支援にはどんなものがあるのかや、障害の重さによって受ける支援が違うこと、障害があっても一人で生活できるような商品が多く出ていることなどを学ぶことができました。また、みんながハッピーに暮らせるようなことを考えていくということが社会福祉だということを学び、障害の有無関係なく、どんな人でも住みやすいと思える社会にするために自分のことだけ考えるのではなく、みんなで暮らしているということを忘れず過ごしていきたいと思うようになりました。


【Bさんのコメント】

これまで社会福祉について学んだことから、「人との繋がりを大切にする」「周りをよく見る」ということを意識する力が身についた。私自身も、この授業を受けるまで、社会福祉と保育者は何がどのように繋がっていて、どのような意味があるのか、関係ないのではないかと思っていた。けれど、非正規雇用が多いことが少子化に繋がっていたり、片親のため親が夜遅くまで仕事に行くから、子どもが勉強より家事などを優先せざるを得ないなど、課題がたくさんあって、社会福祉は決して自分と遠い存在ではなく、これから保育者になるにあたって、こういった人たちと出会ったときに役立つ大切なことを学べて良かった。一人一人の意識が、小さな気付きに繋がり、人と支え合うことで不安も減らすことが出来ると思う。このように、この授業で得た力を生かし、よりよい明るい環境へと目指し、素敵な保育者になりたい。


【 Cさんのコメント】

社会福祉での学習は非常に興味深いことばかりでした。今まで知らなかったことと今の日本の現実を知りました。時には心が痛くなり、考えさせられる話に真剣に悩んだこともありました。そして、その悩みは保育者になれば本当に日常的なものになるだろうと感じていました。保育に正解はありません。正解を求めることは違うと思います。しかし、自分の中でこうするべきではないかという考えは明確にしておくべきです。実践経験も知識もなく、保育者の卵である私には分からないことだらけで不安になったりもしましたが、社会福祉の授業を受けることで自分の中で気持ちが固まっていきました。それは、たとえ辛くても私は子どもの大変な部分や子どもに関する深刻な問題から目をそらしてしまうような保育者にだけはならないということです。自分が子どものために何をしたいのか、子どもの幸せとは何なのか…このような目的を社会福祉の授業で考えることができ、得ることができました。社会福祉を高齢者の人達の支援だけだと考えていた頃の自分と、授業での学びを通して明確になりつつある目的を得た今の自分とでは大きく違っていて、成長できたということが自分でも感じることができます。今後は子どもの側面からだけではなく、保護者(大人)の側面からも障害や貧困などについてより考えを深めていきたいと考えています。

 

 学生のみなさんのコメントを読んでいると、「社会福祉」の授業を通じて、子どもの育つ社会、家庭のありようや課題を学生自身が保育に引きつけながら学んでくれたことを感じます。

 この学びをベースに、1年生後期は、より子どもの福祉問題や支援にターゲットを絞った「子ども家庭福祉」を、23年生では家庭や地域の支援まで視野に入れた「子育て支援」、「子ども家庭支援論」を学んでいきます。

一覧に戻る