京都光華女子大学 こども教育学部 こども教育学科 ニュース 京都光華高校で特別授業「ブタの胎児の解剖」を実施しました

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教員コラム

京都光華高校で特別授業「ブタの胎児の解剖」を実施しました

 昨年に引き続き、特別授業「ブタの胎児の解剖」を、京都光華高校3年生生物選択者対象に行いました。

ブタの胎児は、内臓のようすや配置が人間にそっくりなので、人体の理解に大変役に立ちます。

 解剖用のブタの胎児は、妊娠に気づかれずに屠殺された母豚から得られたもので、産業廃棄物となるものを、教育に活用しています。

 はじめに、解剖ばさみとピンセットの使い方、使い捨て手袋の使い方について説明しました。医学部で行われる人体解剖と同様に、解剖にはさみとピンセットのみを用い、メスは使用しません。続いて、中井がデモンストレーションでブタの胎児を1体解剖し、解剖の手順と観察のポイントを説明しました。

その後、生徒2人で1班となり、それぞれが1体ずつブタの胎児を解剖しました。

最初は解剖ばさみの使い方に悪戦苦闘していましたが、おなかを開くと鮮やかな内臓が現れ、中井作成の解剖図を参考にしながら内臓の位置と構造を確認し、1つ1つ摘出していきました。

 おなかを開いたのち、気管系を確認してから、肺と心臓を取り出して、ピペットで肺に息を吹き込みました。すると、暗赤色だった肺が、ふくらむと同時に鮮やかな朱色に変化しました。ヘモグロビンが酸素ヘモグロビンに変化する様子がわかり、感動的です。

 その後、胃や腸、肝臓、腎臓などを観察し、生徒たちの興味に応じて、脳や目玉、骨格などを観察しました。

 生徒たちは皆、解剖に大変熱心に取り組んでいました。強く印象に残る特別授業になったようです。

        (学校教育コース 中井咲織)

中井が作成したブタの解剖図を見ながら、解剖していきます。

腸間膜をはずして小腸を1本にし、長さを調べたところ、体長の8倍以上もありました。