前期「こどもと絵本Ⅰ」の第5講は,「絵本各論③ こどもの知的・社会的発達と絵本との関わり」です。授業前半の講義では,赤ちゃんと絵本との関わりとして,身体を通して「ひびきあう」ことにより絵本の存在は認知され,知性と社会性の扉は開き始めるということや,「リズム・メロディ型絵本」は認知発達よりもコミュニケーション能力が必要であるということを,受講生は実際の絵本を見ながら理解しました。絵本が子どもの発達に及ぼす影響に関する学術的知見として,一人ひとりの子どもの絵本歴を丹念に追う研究例に従い,授業後半の演習では,受講生は「好きな絵本をみせて」自分の絵本歴について発表しました。
受講生の発表では,絵本の読み聞かせの後に,なぜその絵本が好きなのか,その理由や経緯,エピソードの紹介がなされました。受講生それぞれの興味・関心がどこにあるのか,受講生同士が知るとてもよい機会となったかと思います。同じ絵本が紹介されることはなく,受講生それぞれが語る好きな絵本の魅力の多様性に,驚いたと同時に興味深く感じました。時間が足りなくて,受講生全員が発表できなかったことがとても残念でした。