ニュース

研究室活動

研究活動紹介  水道裕久

みなさん、こんにちは。健康栄養学科 健康スポーツ栄養専攻教員の水道です。

今回は、現在取り組んでいる薬用植物「キハダ」の葉を使った食品開発について紹介させていただきます。

キハダはミカン科の木で、その幹の内樹皮を乾燥させたものがオウバクという生薬の原料です。私たちは、これまで殆ど利用されていなかった「キハダの葉」を使った飲料や洋菓子作りを行う一方、その機能性についても調査・研究しています。

キハダの葉を分析すると、カフェインが含まれていないことがわかりました。カフェインは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれており、中枢神経系に作用して眠気防止等の作用がある一方、人によっては長期的な摂取により高血圧リスクが高くなる可能性や、妊婦がたくさんのカフェインを摂取した場合、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。したがって、キハダの葉はカフェインが含まれていないことから誰でも安心して摂取できる素材といえます。さらに、カルシウムや葉酸の含有量が高いという特長があります。カルシウムは骨や歯の主要な構成成分であり、葉酸は妊婦がこれを十分に摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるといわれています。これら成分の機能性を生かした高齢者や妊婦の方向けの食品開発をめざして取り組んでいます。

昨年12月には学内で試食会を開催し、プロのパティシエに作っていただいたキハダの葉を利用したカフェインレス洋菓子(ロールケーキ、カステラ、フィナンシェ、バターサンドクッキー)と私たちが試作した飲料を教職員の方々に評価していただきました。

<キハダの葉>

<キハダ葉を利用したお茶づくりの様子>

<ロールケーキとカステラ>

<フィナンシェとバターサンドクッキー>

<キハダ焙煎茶・粉末飲料>

<試食会の様子>