こんにちは。今回は、管理栄養士専攻の応用栄養学実習を紹介します。
応用栄養学では、
・ライフステージで異なる生理学的特徴や生活環境
・低温・高温環境などの特殊環境
・消費エネルギー量が高かったり、身体の一部に負担がかかったりするスポーツ選手
などのさまざまな状況について学びを深め、その状況に適当な栄養ケアやマネジメントの在り方を学びます。実習では、講義で学んだ内容を活かし、さまざまな状況を想定した模擬症例に対し、栄養管理計画書を作成し、具体的な1食の献立を含む栄養ケアを提案し、適当な食事の質や量を学習します。
それでは、ここからはクイズです。
1. 写真A~Cで、最もエネルギー量(kcal)が高いのはどれでしょうか?
2. 写真Aは、離乳食となっていますが、何か月?何歳くらい?の赤ちゃんの食事だと思いますか?
3. 写真Bで使用されている野菜の量は何gでしょう?
4. 写真Cのメニューで、仲間外れはどれでしょう?
~クイズの答え~
1. 写真Bの『思春期集団』です。
ヒトの一生で最も基礎代謝量が高くなるのは思春期です。一般的に、女子は中学生、男子は高校生で最も高く、1日あたりに必要とされるエネルギー量は、女子で2,400 kcal/日、男子で2,850 kcal/日と言われています(活動量:普通)。今回の献立は、1食あたり726 kcalで、写真左上にある手作りの間食も含めて、女子の2,400 kcalを目標としました。
*カードの名称について、『思春期集団』の『集団』は、症例が個人の症例ではなく、集団を対象とした症例であったことを意味しています。
2. 離乳後期~離乳完了期といわれる時期で、9か月以降の離乳食になります。
離乳食とは、摂食能力が未熟な乳幼児に対して、エネルギーや栄養素を乳汁以外の食物から摂取できるようになるため『かみかみ・ごっくん』を練習する時期に食べる食事です。軟らかく煮たうどんも3㎝程度に短くして口に入れやすく、噛みやすくしています。にんじんは、かなり小さく刻んでありますが、この時期であれば軟らかく煮てあれば、もう少し大きくても食べられます。小鉢のほうれん草は、少し大きかったと思います。葉もの野菜は意外と食べにくいので、もう少し小さい方が良かったのではないかと実習ではお話しました(指摘点)。
3. なんと220gです!
健康日本21で推奨されている1日あたりに摂取して欲しい野菜量は、350gです。これは、1食に野菜を使い過ぎた献立でした(指摘点)。
4. 写真中心の鮭です。
鮭を焼いた後に、ミキサーにかけて滑らかにし、増粘剤(ゼラチンや寒天粉のようなもの)で固めた、焼き鮭ゼリーです。その他のメニューは、二次加工はしていません。高齢者では、摂食・嚥下(噛む・飲み込む)機能の低下や障害が多くなります。そのような方でも、食べやすいように加工した食事です。学生さんからは、『思っていたよりも美味しい』という声の一方で、『噛まずに食べることができることに抵抗を感じる(ちょっと、イヤ)から、歯を大事にしたい』など色々な声がありました。
同じヒトであっても、このように成長や老化の中で、食事の特徴は大きく異なります。普段の体調や食生活状況を見返し『well being』な食事について、一緒に考えて、見出してみませんか?