2023年の夏は非常に暑く、気象庁のデータを見ますと、東京都の8月の日最高気温の月平均値は、2022年8月が32.0度に対して2023年8月は34.3度であり2.3度も高いです。2024年以降の夏も最高気温が高くなりそうで、夏の熱さ対策は人の健康維持のうえで大変重要になります。
その対策の一環として、近年、夏の暑い日に携帯扇風機の利用をよく見ます。しかし、携帯扇風機の利用時は以下のような注意点がありそうです。
1.落とした場合は利用を控える
ウェブ記事によれば、地面に落としたり、強い衝撃を与えてしまった場合は、使用するのを控えるよう注意喚起されています。携帯扇風機に強い衝撃を与えると、扇風機内のリチウムイオンバッテリーが損傷する可能性があり、 この状態で使用を続けると内部でショートを起こし、発火、破裂につながる危険性があるようです。
2.長時間利用を避ける
ウェブ記事によれば、ヒトは体温が高くなると汗をかき、その汗が蒸発する際に熱が奪われ(気化熱)、体温が高くなりすぎないように保ちます。しかし、携帯扇風機を当て続けていると、その汗が熱を調節する前に乾いてしまい、体温が下げられなくなり体に熱がこもり、熱中症になりやすくなります。また、外気温が35度以上の場合、携帯扇風機を通して湿度が低く乾燥した35度の温風が体に吹き付けられて熱が体にこもります。回避するために、風を当てる体の部位に水分をスプレーすると良いそうです。
3.風が目に直接当たらないようにする
ウェブ記事によれば、目の角膜に障害を起こすおそれがあり、目に直接風が当たらないよう、首元から下向きに扇風機の風を向けると良いそうです。
以上は携帯扇風機の例ですが、人の健康維持、健康増進のためのいろいろな機器を、安全・安心・快適に利用することが重要です。そのための知識が、ヘルスリテラシーとなります。人間健康学群では、人の身体的、心理的、社会的な側面でヘルスリテラシーを学び、社会に広がるように実践的に活動します。
文責 酒井浩二