京都光華女子大学 人間健康学群 ニュース 学び研究する健康課題1/7:過疎地域の移動支援によるQOLの向上

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学び研究する健康課題1/7:過疎地域の移動支援によるQOLの向上

こんにちは。人間健康学群の酒井浩二です。現在、取り組んでいる研究テーマについてご紹介します。

研究テーマ「過疎地域の移動支援によるQOLの向上」

1.解決すべき社会課題
超高齢社会の現代、免許証の自主返納等により移動手段がなくなり、家族も移動支援ができず、買い物、通院、社会参加など不便をきたしています。移動課題は、生活の不便をきたすだけでなく、高齢者の運動不足、生活のはりあい不足により、フレイル、要介護への進行を加速させています。移動課題は過疎地域で特に深刻な問題で、京都市右京区内の京北地域で調査研究をしています。

2.課題解決に必要な専門領域
以下のような専門領域の基礎を学び、あるいは解決に向けた取組過程で学びます。
栄養学:健康と食事の関連
運動学:運動による健康増進やフレイル予防
心理学:パーソナリティ、社会参加によるQOLの向上
社会福祉学:高齢者・障がい者の生活支援
公共政策学:政府や地方自治体、NPOや市民団体の活動

3.課題解決策の案
過疎地域の移動課題の解決策として、以下の2つの共存による仕組みづくりが重要と考えて、ヒアリング調査しています。下記(1)、(2)の解決策はいずれも問題点も多いですが、その問題の明確化と解決策を調査研究しています。

(1) 共同送迎による移動サービスの効率化:現在、多くの過疎地域で、デイケアセンターや病院などの利用者の送迎は施設ごとに行われています。複数の通所介護事業所が単独で行っている送迎業務を外部の団体に集約し、地域一体で運行する共同送迎サービスとして、ダイハツ工業株式会社が提供されている「ゴイッショ」があります。香川県三豊市で取組されています。
(2)ライドシェアによる移動サービスの多様化:移動サービスは、上記(1)の目的のほかに、買い物や社会参加など多方面で必要となります。電車、バス、タクシーなどの公共交通機関が撤廃された過疎地域で、より多様な移動サービスの提供に向けて、自家用有償旅客運送やライドシェアが解決策の1つになると考えています。

4.本研究テーマの意義・魅力
行きたい場所に行けることは、人としての生活の権利であり、地域社会は権利保障する必要があると考えています。行きたい場所へいつでも、だれでも移動して、食、知、縁を豊かにすることで、地域住民が元気で生き生きとできる、QOLの高い地域社会の構築につながればと考えています。

文責:酒井浩二

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