京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース ニュージーランド海外研修③~早期幼児教育施設の視察体験~

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ニュージーランド海外研修③~早期幼児教育施設の視察体験~

3月7日(火)、ニュージーランドはオークランド市での研修も、気づけば日本を発って4日目になりました。視察で入らせていただくために私たちは事前に「だしもの」を何か準備しておくようにとリクエストされていました。ちょうど3月のひな祭の時期だったので、ひな祭の童謡を全員で歌うことと、ツルや手裏剣を折り紙で一緒に作るという2つの準備をしていきました。その準備は、学科も学年もバラバラで事前準備を全員ですることができなかったため、ニュージーランドまでの乗り継ぎ待ち時間などを利用したり、わずかな昼休みにフードコートで現地の100円ショップのような店で現地調達もしつつ、主に大学院生のリードのもとに、自然と学年が上の者が自分の後輩を引っ張っていくという形式になりました。この研修で生まれた強い連帯感は今も続いています。

「だしもの」のリクエストは交流をする際に必要だからかと解釈していましたが、実際にはニュージーランドでは誰かを受け入れることがわかった時点から、日本では考えられないような密な交流が始まっており、「だしもの」はその場にいる全員の一体感を楽しむためのものだということが、今回多くの専門機関・専門施設を訪問するうちにわかってきました。

たとえば今回は様々な特色ある早期教育および保育施設に受け入れていただいたので、同じ子ども関係の施設でも1つ1つがそこのユーザーにとって理想的な教育を施せるようにプログラムされて動いていることも勉強になりましたし、言葉の違い、国の違いを越えて人同士が心を通わせ合えるということにも気づかされました。こども教育学科のTさんの語りからは、この気づきへの感動がよく伝わってきます。

「私は、今回初めて海外に行きました。全てのことが新しい経験で、人の優しさを感じたり文化の違いに驚いたり、言葉で悩むこともありました。その中で最も印象に残ったことは、様々な幼稚園を視察させていただいたことです。私は、研修中に4つの幼稚園に行かせていただき、ニュージーランドの幼稚園と日本の幼稚園の違いを知りました。違いとは、集団遊びをするのではなく自分のしたいことを考えて遊びを楽しむ姿や誕生日の当日から小学校へ移動すると学んだことです。またおもちゃやものの配置も独特でとても勉強になりました。
しかし、異なることばかりではなく、言葉がうまく伝わらなくても表情で関わることができることにも気づくことができました。おやつの場面で、口を開けて見せてきて、それに対して私が困った顔をするととても可愛い笑顔でケラケラと笑ってくれたり、砂場では言葉は分からなくても表情を見ながら簡単な単語で話をすることで、遊びを一緒に楽しむことができました。
研修に参加して、素敵な経験が沢山できて本当に良かったし、充実したものになったと感じています。」(こども教育学科2年生Tさん)

言語を越えたコミュニケーションについては、特に7日に伺ったコハンガレオという名称の早期教育施設でカルチャーショックと言っても過言ではないぐらい驚きました。そこではマオリ文化を継承する早期教育を行うため、マオリ語しか使えません。他の言語はもちろん英語すら禁止されています(実際には少し英語を使わざるをえませんでしたが・・・)。研修参加者は英語でのコミュニケーションにはまだ慣れていないということもあったので、むしろこのように全くわからないマオリ語オンリーという制約はありがたい制約だったと思います。またコハンガレオではマオリの知恵がつまったミツロウと薬草で作る万能スキンケア用品を私達にも手作りさせてくれ、さらにそれを研修参加者の人数分のビンに詰めて、すぐに使えるようにして渡してくださいました!!(先生が効能について小声の英語で解説してくださいました。)

またTさん以外の参加者も驚いていたのですが、日本ではまず国が標準とする暦があり、年度単位で1つの学年に属する子どもには1つのカレンダーに合わせた予定が組まれます。しかしニュージーランドのように子どもの詳細な生活年齢を中心にすえたサービス提供のために、1人1人の子どもの誕生日を節目として6歳になった翌日から次の教育段階(小学校)に入ることになっている文化もあります。確かに発達的視点からすると月齢の低い子どもは急激な発達を遂げるため、誕生日を節目とするシステムは、子どもの側からすると理想的であり合理的でもあります。では小学校ではどのような教育体制がとられているのでしょうか?また知りたいことが1つ増えました。

続きはこちら【ニュージーランド海外研修④~将来へつながる学び~】