京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 学生スタッフによるミニ講義リポート ~8/18「昔話の心理学-昔話から心を理解する-」~

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学生スタッフによるミニ講義リポート ~8/18「昔話の心理学-昔話から心を理解する-」~

お盆が過ぎ、夏休みも一区切りの今日この頃。皆さまいかがお過ごしでしょうか?

さて8月18日(土)のオープンキャンパスも、本校にお越しいただきありがとうございました。本校心理学科では、オープンキャンパスのイベントとして大学の講義が体験できる、ミニ講義を実施しております。8月18日(土)のミニ講義では、心理学科教授の千野美和子先生より「昔話の心理学-昔話から心を理解する-」についてご講義頂きました。

 

 昔話とは人から人へ語り伝えられてきた作者のいない物語で、心の成長を描いています。例えば『ヘンゼルとグレーテル』は幼児期の心の成長、『赤ずきん』は児童期の心の成長を描いています。また主人公が女の子の場合、女性の心の成長を描いています。

 

今回は、主に『白雪姫』『いばら姫』『ラプンツェル』の三つの物語についてご講義頂きました。

この三つの物語に共通していることは、思春期が中心の物語であること、女性が主人公で誕生から結婚までを描いていることが共通しています。大人になるためにはどのような心の成長のプロセスが必要か、また、結婚できるだけの大人に成長していく過程を描いています。

 

思春期とは子どもから大人になる変化の時期であり、さなぎの時期でもあります。この時期は、日常の外の世界から離れ、一人でいる期間が大切です。この期間は内側で起きている心の成長が最後まで進行するように守るとともに、外部から成長が邪魔をされないように守るための二重の守りが必要な時期です。『白雪姫』や『いばら姫』などに登場する眠りは、一見ただ眠っているように見えますが、内側では大人に成長し、王子と結婚する準備が整う時が熟するのを待っているように考えられます。

 

このように、昔話には心の知恵がたくさん詰まっています。皆様も昔話を読み返して、新たな発見を探してみてはいかがでしょうか。

 

 

心理学科2回生 H(2018年8月21日)