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教員コラム

巣立ち行くゼミ生たち

 1月24日、卒業論文・卒業研究発表会が開かれました。研究成果を一人10分で発表します。開始から8分で1回目のベル、10分で2回目のベルが打ち鳴らされます。ベルの音と残り時間の少なさに緊張が走ります。ゼミの時間に発表の練習をしているので大丈夫と思いつつも、教壇に立ちマイクを握って大勢の前で発表する姿を見ると心配になり、手元の発表原稿集に目を落としてしまいます。

 今年の原稿集の表紙は、表裏ともにハリネズミのイラストを付けました。ハムスターやカピバラの年もありました。ハリネズミを眺めていると、原稿集をみんなで作っている姿、全員卒業研究を提出できたときの笑顔、思うように原稿が書けないときの瞳、お寿司やスウィーツを思い切り食べたゼミ・ミーティング、初めてゼミ生たちとテーブルを囲んだ2回生研修、様々な思い出が浮かんできます。

 発表内容は、デートDV、ストレス・コーピング、人間関係の構築、女性のキャリア選択、アニマルセラピーなど多彩です。犯罪心理学と社会心理学に関連するテーマです。心理学を志して入学した彼女たちが、最も知りたかった心理や行動です。今日で4年間の学びを終え、春から社会人になります。寒の内、暖かな教室の外では北風が吹き付けています。まもなく立春を迎え、やがて桜が咲き誇る春となります。それぞれに暖かな春を迎えるでしょう。

 3回生のゼミ生たちが発表を聞いています。いささか不安げに見えます。これからの1年間、大学時代の思い出となるような出来事を重ねて、今日の4回生のように笑顔で巣立っていってほしいと思います。新たな年のスタートです。

M. T.(2019年1月24日)