京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 親子教室-お店屋さんごっこの3ヶ月―

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教員コラム

親子教室-お店屋さんごっこの3ヶ月―

カウンセリングセンターで2008年に毎週水曜日の親子教室を開いて丸10年になりました。参加しているのは近隣の0歳~6歳までのお子さんとお母さんです。心理学科では前期に3年生以上の「心理学実践演習(子ども相談)」、後期には心理学研究科の「基礎実習」の実践的授業の一貫として学生や院生も参加しています。1月から3月までは「お店屋さんごっこ」をテーマにして、1月はお財布作り、2月は商品作り、3月はお店屋さんにお財布を持って商品を買うという連続したストーリーのあるイベント遊びをしています。写真にあるように2月の商品作りではお母さんたちがとても熱心に様々なものを作ってくれます。子どもが遊んでいる中で、お喋りしながらケーキやソフトクリームなどの商品を熱中して作っているお母さんたちは本当に活き活きしています。

皆さんには自分の憧れの存在の仕草や声を真似てみると自分が少し大きくなったような気がしたという経験はありませんか?自分の憧れの人の仕草を真似てその人になって見ると、視野が拡がって今までとは違う景色が見えるのでしょうね。フランスの哲学者カイヨワの定義によれば「ごっこ遊び」は遊びの本質的要素としては「模擬」に分類され、それが高度に洗練されたものは「演劇」につながります。

子どもは「ごっこ遊び」がとても好きです。お店屋さんやお母さんといった身近な憧れの存在の役割を演じてみると、「いつもの自分」から少し離れることができて、想像が自由に動き出すようです。お母さんたちの創り出すグッズを見てみると、子どもだけではなく、大人の想像力も解き放たれているように思います。大人も子どもも楽しんでいる「お店屋さんごっこ」をこれからも大事にしたいと思います。

 

徳田 仁子(2019年1月25日)