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教員コラム

少年非行と幼児の交通安全

本学は、京都府右京警察署と「地域の安全・安心などに関する協定」を結んでいます。協定の一環として、「社会心理学入門」の授業で「京都の非行」と「幼児の交通安全」という2つのテーマで、お話を伺う機会を賜りました。

 まず、少年非行について、非行は減少傾向にあるが、薬物使用やインターネットを介した非行が増加していることについて説明してくださいました。非行には、悪いことと知らないで行う非行と悪いことと知りつつ行う2つのパターンがあること、自己評価や有用感の低さと怒りが非行原因となっていること、自己評価や有用感の高め方についての説明の後、自己評価を上げる言葉「ありがとう」を教えていただきました。

 次に、幼児の心理的特徴(ひとつのことに注意が集中すること、ものごとを単純化して理解すること、大人がそばにいると依存心が強まることなど)と、身体的特徴(歩行速度が遅いこと、聴覚が未熟であること、視力が変動すること、視野が狭いこと)について説明してくださいました。チャイルドスコープを使った体験の後、交通事故から守るための指導方法として、子どもの目線の高さに合わせること、子どものペースに合わせること、子どもが理解するまで反復することの大切さを教えていただきました。

 1回生の学生さんたちは、これからの4年間、発達心理学・臨床心理学・社会心理学など様々な分野の心理学を学んでいきます。非行や交通安全といった社会の問題と大学での学びがリンクしていることを理解してくれたようです。学びとキャリアについて思いを馳せるよい機会になることを祈りつつ、右京警察署の方々に深く感謝しています。

 

竹西正典(2019年5月22日)