京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 警察との連携授業③ 幼児の交通安全と少年非行 −ウィズコロナ−

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教員コラム

警察との連携授業③ 幼児の交通安全と少年非行 −ウィズコロナ−

本学は、京都府右京警察署と地域の安全・安心等に関する協定を締結しています。この協定は、それぞれの持つ専門分野を活用して相互に連携し、地域の安全・安心及び双方の業務・教育の充実を目的としています。協定の一環として、「社会心理学入門」で、「幼児の交通安全」と「少年非行」についてお話を伺う機会を賜りました。

最初は、幼児の交通安全です。幼児の心理的特徴(ひとつのことに注意が集中すること、ものごとを単純化して理解すること、大人がそばにいると依存心が強まることなど)と、身体的特徴(歩行速度が遅いこと、聴覚が未熟であること、視力が変動すること、視野が狭いこと)について、具体例を交えながら丁寧に説明していただきました。幼児の視野の狭さを体験するために、チャイルドビジョンを用意してくださいました。新型コロナウイルス感染症対策のため、全員ニトリルゴム手袋を着用しての体験です。体験後、交通事故から守るための指導方法として、子どもの目線の高さに合わせること、子どものペースに合わせること、子どもが理解するまで反復することの大切さなどを教えていただきました。

次は、少年非行です。京都府の少年非行は10年前の約10分の1まで減少しているが、児童による非行は相対的に増加しているとのことでした。児童がインターネット犯罪に巻き込まれたり、虐待を受けたりする事案が増えていることを伺いました。少年非行には、悪いと知らないで行う非行と悪いと知りつつ行う非行があること、自己評価や自己有用感の低さと怒りが非行と結び付いていることと自己評価や有用感の高め方について説明を受けました。自己評価を上げる言葉「ありがとう」は、受講生の心にいつまでも残ることと思います。

1回生は、これから4年間、発達心理学、臨床心理学、司法・犯罪心理学など様々な心理学を学んでいきます。今日は、交通安全や少年非行といった社会の問題と心理学の結びつきを理解してくれたようです。大学での学びを社会で活かす方法について思いを馳せるよい機会になることを祈りつつ、右京警察署の方々に深く感謝いたします。

2021.7.9 竹西 正典