「ホテルでの瞑想プログラムを体験してみる」

２０２２年２月１５日から同月２５日までの期間、hotel kanra Kyoto(ホテルカンラ京都)にて、「客室を使用したヒーリング＆メディテーションプログラム　『蘇/rium^３』(そりゅーむ)」の体験モニターが募集された。

ホテル客室という非日常の快適空間で、瞑想を実践する。そんなサービスを提供するホテルが最近増えていると耳にしてはいた。ただし、まさか体験する機会がめぐってこようとは。

場所は、京都駅中央改札から北へ徒歩１０分ほど、壮麗にたたずむ東本願寺のすぐそばのhotel kanra kyoto。「京都で培われてきた伝統の「技術と技法」を用い、木・石・鉄・土・緑など自然の素材を取り入れ、わびさびを感じられるモダンな京マチヤスタイル」をコンセプトとしている(出典：hotel kanra kyoto公式ウェブサイト)。

「一流ホテル×瞑想」を実現させたプログラムとは

『蘇/rium³』について、「ホテル客室を利用したヒーリング＆メディテーションを体験できるプログラム。非接触型＋和のヒーリングで五感を開くことをテーマにしております。コロナ禍におけるストレスや閉塞感を取り除き、自分で自分を整える時間をホテルと間で提供できれば。そんな想いで作られました。」(出典：HOTELKANRAKYOTO Instagram)と説明されている。

『蘇/rium³』の具体的内容は、次のとおり。

１　デジタルデトックス

２　アロマヒーリング

３　あずきヒーリング

４　サマタ瞑想

５　おりんミュージックヒーリング

６　マインドフルネス

７　出発前の一服

これら７つの基本プログラムに加えて、次の３つが追加メニューとされている。

１　ヴィパッサナー瞑想

２　目覚めのヒーリング

３　歩行瞑想

モニターとしての持ち時間は１時間なので、到底足りないと容易に想像できたが、なるべく多くの体験をしたいと思い、タイムキープしつつ、『蘇/rium³』に取り組んでいくこととした。

心地良さに満ちたIN→OUT

『蘇/rium³』の流れは、ホテルでの一般的なチェックインのようであり、優雅な雰囲気で始まる。

まず、フロントで鍵を受け取り、穏やかな表情と口調のホテルスタッフから説明を受ける。手触りの良い和紙のプログラムメニュー(説明書き)も受け取る。

部屋に入った時点からプログラムが始まるので、部屋の門前（各客室に格子戸があり、部屋までの小道がある）で最初の瞑想メニューを読み、一息整えてからようやく入室する。

ちなみに、プログラムを終えて帰る際には、またまた平穏なホテルスタッフから「お疲れさまでした。」と労われる。瞑想は、基本的に自分のために実践するものなので、温かい微笑みと労いの言葉をかけられることに、とまどいつつも、プログラムをOUTしてからも心の平穏を守る工夫がされているように感じる。

メニュー１　デジタルデトックス

部屋に入ると、すぐに控えめに金色に輝く平たい箱が目に入る。ほとんどのメニューに同様の箱が用意されている。デジタルデトックスでは、箱にスマートフォンやスマートウォッチなどの通信機器を封入する。

現代に生きる私たちが、スマホやPCから離れる時間は、１日にどれくらいあるだろうか。大学生を対象としたデジタル機器への依存性に焦点を当てた研究(久保ら,2019)によると、デジタル機器による健康への弊害を感じつつも、日常生活空間での制限は難しく、確実にデジタル・フリーな状態を維持できる環境設定が有効と指摘されている。

Earthing^＊1など、自然に触れてデジタルオフする効用が最近注目されている。ヨガやロハスといったウェルネス系の価値観の社会的浸透に伴い，デジタルデトックスは新奇のアクティビティのような魅力を放っている。ただし，S N Sでのつながりと情報収集が必須の現実生活では，デジタルデトックスの実践は相当難しく，体験したいのにできないという葛藤の反動形成で，一層魅力的に映りやすい印象がある。

私個人としては，ヴィパッサナー瞑想キャンプがここ最近体験したデジタルデトックスだが，社会生活に舞い戻ると，すぐにスマホを気にかける態度が復活したと思い起こす。なので，ここで重厚な蓋付きの箱にスマホを封じ込めるという儀式をすると，確実に離れる実感があり，プログラム中，思考や感情が外界に飛ぶことが少なかったように思う。デジタルフリーは，マインドワンダリングを抑え，思考の気ままさを抑制することを再度実感した。

メニュー２　アロマヒーリング

瞑想をするための和室に上がる。壁から放たれる薄ぼんやりとした灯りに囲まれて，座卓に置かれたアロマミストを放つ。落ち着いた香りとともに，ほのかにふりかかるミストを肌で感じる。一つ一つの感覚を丁寧に使うことで，心が落ち着くのを感じる。

メニュー３　あずきヒーリング

金色の箱からアイピローのような包みを取り出す。じんわりと温かく，甘く懐かしい香りが漂う。身体のどこか好きなところに置いて感じるとの説明だが，今回は瞼の上に置く。瞼が温まり，なんとなく，頭皮が弛緩するように思う。個人的実践として，瞼に伝わる温かい感覚に意識を向け続けるサマタ瞑想を少しの時間行う。仄暗く，雑音も少なく，一定のリズムの音楽がきこえるばかりで，温かさに集中しやすく，とても瞑想しやすいと感じる。瞑想しやすいと感じたら，そもそも瞼の温かさに集中できてないということなので，「温かさに集中」と気づいて，意識を戻す。

巷のマインドフルネスの実践で，特定の対象に注意を向け続ける集中瞑想の取組はしばしば行われる。

メニュー４　サマタ瞑想^＊２

金色の箱に大きなロウソクが入っている。火器取扱リスクの関係で，L E Dキャンドルで，ロウソクの炎の揺らぎを見つめることに集中する方法でサマタ瞑想を行う。どこにロウソクを置くかなど，細かな設定がなされている。サマタ瞑想では，梵字などの書字や壁の一点を見つめる方法が取られるが，専門的な空間デザインがなされた部屋で見つめる炎は，プラシーボ効果もあるかもしれないが，集中力が高まりやすい気がした。白地の壁面にロウソクとその炎の揺らぎが大きく映し出され，注意が逸れるように視点がずれても，影の炎の揺らぎが視野に入っているわけで，そうした影を「準・ロウソクの炎」とするなら，なかなかに炎から視点外れることはないのである。とても瞑想的な空間であることも実感できた瞑想だった。

メニュー５　おりんミュージックヒーリング

瞑想の際，内面へ深く潜るためのツールとして，シンギングボウルがしばしば使われる。このプログラムの一つとして掲げられているおりん音楽は，その音色の均質さや伸びの良さはもちろんだが，情緒的に落ち着くようなリズムや構成になっている。

プログラムを受けた６０分間，切れ目なく流れていたが，妙な感じで気になったり，ネガティブな感情を向けたりすることはなかった。むしろ，呼吸のリズムを整える指標となるなど，瞑想を促進する効果を感じた。部屋に溶け込むように流れ続けているのが，なぜなのかと素朴に感じることはあったが。

メニュー６　マインドフルネス^＊3

説明書を読むと，ダイニングセットのような椅子とテーブルへ移動するとのこと。机の上に金色の箱。今回は食べる瞑想によりマインドフルネスを実践するとのこと。

目を閉じたまま，箱の中のものを取り出し，手で触る(触覚)，音を聴く(聴覚)，匂いをかぐ(聴覚)との手続きを行う。そして，目を開けて，眺めたり凝視したりする(視覚)，少しずつ食べる(味覚)といった順で行うのが，一連の流れである。

ここでの率直な感想として，「なんて食べる瞑想に適したものなのだろう。」と感心した。食べる瞑想で使う素材の選択は悩みどころだと私は思っている。レーズンエクササイズや日本独自のおにぎりエクササイズなどがあるが，感覚を段階的にまんべんなく作用させる材料選びはなかなか大変なのだが，「食べる瞑想のために考案したのかな。」と思うようなものだった。

メニュー７　出発前の一服

食べる瞑想の第二弾かなと思った。と言うのも，あまり出逢ったことのない香りと味わいのお茶だったからで，とても心安らぐ一杯だった。これは瞑想目的のメニューというよりは，いくつかの瞑想をこなして，外界に戻る前に心を落ち着ける時間だと自然と感じた。

追加メニュー　ヴィパッサナー瞑想^＊4

このメニューでは，自身の呼吸に注意を向け続けると説明される。いわゆる呼吸瞑想を行うわけだが，おりんの音色を中心に構成されたヒーリング音楽に意識を向けることも勧められている。ヒーリング音楽は，耳心地の素晴らしさは言うまでもなく，瞑想を妨げない，むしろ促すような伸びのある音色に満ちている。さらに，４〜６拍の「吸うー吐く」に合わせられるリズムになっている。なので，自力で呼吸に集中するのに疲れたら，音楽に合わせて呼吸を繰り返すことで集中の向け方を取り戻し，再び瞑想への集中に向かうことができるようになっている。そんな風に感じたメニューだった。

追加メニュー　目覚めのヒーリング

このプログラムでは，書写と手紙が用意されている。今回は実施していないので，体験から詳細を知ることはできなかったが，写経を通じて，「書く」ことに没頭する，書くという行為の一つ一つの動作に注意を向けて，マインドフルに向かうことを目的とされていると推察される。

追加メニュー　歩行瞑想

あたかも石畳のような和モダンな客室内の通路を歩く。歩行瞑想はヴィパッサナー瞑想の一環で実践されることが多い瞑想で，歩くという行為を細かく分解して，一つ一つの動作に意識を向ける。足を持ち上げて地面に下ろすまでの流れ，私たちが自動操縦的に，デフォルトとして無自覚に行っている行為だが，あえて細かく，注意深く観察し，気づいていく。

ホテル客室の整然とした石畳通路を歩くと，「なんて綺麗な床なんだ。」とか，「うちもこんな床だったらいいのになあ。」とか，まさに邪念ばかり沸いてきてしまった。こうした余計な思考は，あからさまに雑念だと気づきやすかったので，すぐに歩行の動きに意識を戻せるわけだが，今回はじっくり取り組む時間はなかったので，またの機会があれば，この美しい通路で歩行瞑想に取り組みたいと心残りのまま終えた。

瞑想へ導く空間演出とハイ・ホスピタリティ

近年の瞑想人気の高まりを語るには，マインドフルネスに関する研究と社会的応用の発展を知ることが不可欠である。なぜなら，現代社会で人々が主にウェルネス目的で取り組む瞑想は，その大半がマインドフルネス瞑想であるから。「開放的で，とらわれのないこころの状態」を日々のあらゆる場面で維持するために仏教的ライフスタイルとして実践するものをピュア・マインドフルネスとし，現代人が心身の健康増進や幸福感を目指し，ある意味目的志向的に行うものを臨床マインドフルネスとして，明確に区別している(大谷, 2014)。

ライフスタイルとして２４時間瞑想を実践するわけでなく，日常生活のどこかの時間枠で瞑想を行う場合，特に瞑想を始めて日が浅くて生活へ定着させる途上にある場合には、いかにコンディションを整えるかがキーになる。つまり、瞑想に向けた動機付けや集中力が高まる環境の工夫は、とても大切である。そうした意味でも，今回のホテルによる瞑想ルーム及び各種ツールの提供は，とても画期的であった。

瞑想的ホリスティック空間と呼べそうな客室は、簡素だが、灯火を連想させる暖色照明や和モダンな調度品に囲まれ、流れ続けるおりんミュージックからは、凪のような平穏な音色を感じる。視聴覚ともに、温かみを感じる。

プログラムを進める中では、文字どおり、ぬくもりを感じられるあずき包みや、気持ちが和らぐ珍しい種類のお茶が用意されている。心身のリラクセーションを促し、一方で弛緩しすぎて眠たくならないように、すべきことは明確に指示しておき、安心して瞑想に取り組める自信を与えるようなプログラム構成だった。

瞑想を身近に感じられるプログラム

瞑想というと，宗教的な修行とか，一般人でもヨガをする人(yogi)の活動とか，縁遠いイメージを抱きやすいものだった。そんな中，近年のマインドフルネスの人気高騰で，座って呼吸に注意を向ける着座瞑想がずいぶん親近感を持てるものとなった。

とはいえ，実際に体験しようとしても，そう簡単な道筋はないのが実情だと思う。どこかのヨガスタジオの瞑想関係のレッスンを受けるか，オンライン上の瞑想関連の動画を試すか。どちらも，自力で腑に落ちる体験をするにはなかなか大変だと思う。いきなりヨガスタジオに足を運び，しかも瞑想にたくさん取り組めるレッスンを受講するのはハードルが高いし，オンライン上の瞑想プログラムはきちんと瞑想指導がなされたものを見つけるのが大変な上，自宅などの生活空間で取り組む難しさもある。

＊1−素足や素肌で大地に触れること。グラウンディングとも呼ばれる。電磁波などの人工的エネルギーを大地に逃すことで，心身のコンディションが整うとされている。

＊2−注意を意識的に特定の事柄に(呼吸，イメージ，概念，ロウソクの炎など)に集中させる没入的な瞑想法(大谷, 2014)。

＊3−「今，ここ」の自己について，意図的に，特別な配慮を持って注意を向け，評価せずにありのままに受け入れている心の状態(筆者による説明)

＊4−知覚するあらゆる事柄に対して選り好みせずに気づき続ける瞑想法。

‘Experience the Meditation Program at the Hotel’


From February 15 to 25, 2022 Hotel kanra Kyoto, a hotel in Kyoto, Japan, invited participants to experience “Sori3,” a healing and meditation program using guest rooms.
The program offers meditation in the comfort of a hotel room, an extraordinary space. I had heard that the number of hotels offering such a service has been increasing recently. However, I never thought I would have the chance to experience it.
The hotel kanra kyoto is located near the magnificent Higashi Honganji Temple, a 10-minute walk north from the central ticket gate of Kyoto Station, and is a “modern Kyoto-style hotel with a sense of wabi-sabi, using traditional techniques and techniques cultivated in Kyoto and natural materials such as wood, stone, iron, earth, and greenery. The concept is “modern Kyoto machiya style with a sense of wabi and sabi” (source: hotel kanra kyoto’s official website).

What is the program that realized “first-class hotel x meditation”?

About “Su/rium3,” the company says, “This is a program that allows guests to experience healing and meditation using hotel guest rooms. The theme of the program is to open the five senses through non-contact + Japanese healing. We hope to remove stress and blockages in the Corona Disaster and provide time for self-conditioning between the hotel and yourself. It was created with this in mind.” (Source: HOTELKANRAKYOTO Instagram).
The specifics of “Su/rium3” are as follows.

1 Digital detox
2 Aroma Healing
3 AZUKI Healing
4 Samatha Meditation
5 Orin Music Healing
6 Mindfulness
7 Pre-departure smoke

In addition to these seven basic programs, the following three are considered additional menus.

1 Vipassana Meditation
2 Awakening Healing
3 Walking meditation

Since the time I had as a monitor was one hour, I could easily imagine that it would not be quite enough, but I decided to work on “Su/rium 3” while keeping my time in order to experience as much as possible.


IN to OUT filled with comfort

The process of “Su/rium3” begins in an elegant atmosphere, much like a typical check-in at a hotel.
First, you receive your key at the front desk and receive an explanation from the hotel staff with a calm expression and tone of voice. You also receive a program menu (written explanation) made of tactile Japanese paper.
The program begins as soon as you enter the room, so you read the first meditation menu in front of the room gate (each room has a lattice door and a path to the room), take a rest, and finally enter the room.
Incidentally, when we leave after the program, we are again greeted by the peaceful hotel staff, who say, “Good job!” and they labor to help you. Since meditation is basically practiced for one’s own sake, I feel that the warm smiles and words of exertion are a device to protect my peace of mind even after I am OUT of the program, although I am still a bit bewildered.

Menu 1: Digital Detox

Upon entering the room, you immediately see a flat box that shines discreetly in gold. Similar boxes are provided for most of the menus. In the digital detox, the box encloses a smartphone, smartwatch, or other communication device.
How much time do we spend away from our smartphones and computers in a day in today’s world? A study focusing on digital device dependence among university students (Kubo et al., 2019) points out that while they feel the harmful effects of digital devices on their health, it is difficult to limit them in their daily living space, and an environmental setting that ensures they remain digitally free is effective.
The benefits of turning off digital devices by getting in touch with nature, such as Earthing＊1 , have recently been attracting attention. With the social penetration of wellness values such as yoga and LOHAS, digital detoxification is gaining appeal as a novel activity. However, in real life, where connection and information gathering through SNS are essential, it is quite difficult to practice digital detox, and I have the impression that it is even more appealing due to the reactionary formation of the conflict of wanting to experience it but not being able to.
For me personally, Vipassana meditation camps are the digital detox I have experienced in recent times, but I recall that my attitude of caring about my phone was quickly restored as soon as I danced back into my social life. So here, when I do the ritual of sealing up my phone in a heavy lidded box, I feel a definite sense of leaving, and during the program, I think my thoughts and feelings were less likely to fly to the outside world. Once again, I realized that digital freedom suppresses mind wandering and the whimsy of thought.


Menu 2 Aroma Healing

Going up to the Japanese-style room for meditation. Surrounded by the dim light emitted from the walls, I release the aroma mist placed on the table. I feel the mist on my skin as it emits a calming aroma and a subtle sprinkling of fragrance. By carefully using each of your senses, you will feel a sense of calmness.

Menu 3: AZUKI HEALING

You take out an eye pillow-like package from a golden box. You feel the warmth of the warmth and smell the sweet and nostalgic aroma. The instructions say to place it anywhere on the body and feel it, but this time I placed it on my eyelids. The eyelids warmed up, and I felt my scalp relax somehow. As a personal practice, I spend a little time in samatha meditation, in which I keep my attention focused on the warm sensation on my eyelids. It is dark, there is little noise, and I hear only a steady rhythm of music, so it is easy to concentrate on the warmth, and I find it very easy to meditate. If I find it easy to meditate, it means that I am not concentrating on the warmth of my eyelids in the first place, so I notice that I am “concentrating on the warmth” and bring my attention back to it.
In the mindfulness practices around the world, concentration meditation, in which you keep your attention on a specific object, is often practiced.

Menu 4: Samatha Meditation*2

A large candle is placed in a golden box. Due to the risk of handling firearms, Samatha Meditation is done with a LED candle, concentrating on the flickering flame of the candle. Detailed settings are made, including where to place the candles. In samatha meditation, one can write Sanskrit characters or gaze at a point on the wall, but I felt that gazing at the flame in a room with a specialized spatial design easily enhanced my concentration, although there may be a placebo effect. Even if one’s attention wanders away from the viewpoint, the flickering shadow of the flame is still in one’s field of vision, and if one considers such shadows as “quasi-candle flames,” it is difficult to get one’s perspective off the flame. It was a very meditative space for meditation.

Menu 5 Orin Music Healing

Singing bowls are often used in meditation as a tool to dive deep into the inner world. The orin music featured in this program has a rhythm and structure that is emotionally calming, not to mention its tonal homogeneity and extension.
Although it played uninterruptedly for the 60 minutes of the program, it never bothered me in a strange way or directed negative emotions toward me. Rather, I felt that it served as an indicator to regulate the rhythm of my breathing, and in other ways, it facilitated meditation. Although there were times when I naively wondered why the music continued to flow as if it blended into the room.

Menu 6: Mindfulness*3

According to the instructions, we were to move to a chair and table like a dining set. A golden box on the table. This time, we were told that we would practice mindfulness through eating meditation.
With eyes closed, the participants remove the object from the box, touch it with their hands (tactile), listen to the sound (auditory), and smell it (auditory). Then, the sequence of procedures is to open the eyes, look at it or stare at it (sight), and eat it little by little (taste).
I was frankly impressed with how well suited it was for eating meditation. I was impressed. I think that the choice of materials for eating meditation is a problematic issue. There are exercises such as the raisin exercise and the unique Japanese rice ball exercise, and it is quite difficult to choose materials that will affect the senses evenly in stages. I wondered if he had devised it for the purpose of eating meditation.

Menu 7: Smoke before departure

I thought it might be the second part of the eating meditation. Because the tea had a fragrance and taste I had never encountered before, and it was a very comforting cup. I naturally felt that this was not a menu for meditation, but rather a time to do some meditations and calm the mind before returning to the outside world.

Additional Menu: Vipassana Meditation*4

In this menu, it is explained that one should keep paying attention to one’s breathing. It is a so-called breathing meditation, but it is also recommended to pay attention to healing music composed mainly of the sound of an orin. The healing music is not only pleasant to the ear, but is full of extended tones that do not interfere with meditation, but rather encourage it. In addition, the rhythms are designed to be in tune with the 4-6 beat “inhale – exhale. So, when you get tired of concentrating on your breathing on your own, you can repeat your breathing in time with the music to regain your focus and go back to concentrating on meditation. That is how I felt about this menu.


Additional Menu: Awakening Healing

In this program, a calligraphy and a letter are provided. Since it was not conducted this time, I could not know the details from the experience, but I assume that the purpose of this program is to immerse oneself in “writing,” to pay attention to each action of writing, and to move toward mindfulness through the copying of the scriptures.

Additional Menu Walking Meditation

Walking along the passageway in the Japanese modern room as if it were cobblestone pavement. Walking meditation is often practiced as a part of Vipassana meditation. The process of lifting one’s feet and lowering them to the ground, an act that we perform on autopilot and without awareness as a default, is dared to be observed and noticed in detail and carefully.
Walking down the neat cobblestone walkway of a hotel guest room, one might say, “How beautiful the floor is! I wish I had a floor like this in my house. I was filled with evil thoughts. I could easily recognize these extraneous thoughts as overtly unwanted thoughts and immediately return my attention to the movement of walking, but since I did not have time to work on them carefully this time, I finished with the regret that I would like to work on walking meditation in this beautiful passageway if I have another opportunity.

Spatial Design and High Hospitality Leading to Meditation
To discuss the growing popularity of meditation in recent years, it is essential to understand the development of mindfulness research and its social applications. This is because the majority of meditation that people engage in today for wellness purposes is mindfulness meditation. The distinction is clearly made between pure mindfulness, which is practiced as a Buddhist lifestyle to maintain an “open, unencumbered state of mind” in all aspects of daily life, and clinical mindfulness, which is practiced by modern people for the purpose of improving their physical and mental health and well-being (Otani, 2008). (Otani, 2014).
When meditation is not practiced 24 hours a day as a lifestyle, but rather in some time frame of daily life, the key is how to condition oneself, especially if one has only been meditating for a short time and is in the process of establishing it in one’s life. In other words, it is very important to devise an environment that motivates people to meditate and enhances their concentration. In this sense, the provision of meditation rooms and various tools by the hotel this time was very epoch-making.
The room, which could be called a meditative holistic space, is simple, but it is surrounded by warm lighting reminiscent of a fire and modern Japanese furnishings, and the orin music that continues to play gives a sense of peaceful tones, like a calm sea. Both audiovisual and visual senses feel a sense of warmth.
As you proceed through the program, there are literally azuki bean wrappers that give you a sense of warmth and a rare kind of tea that soothes your mind. A program that encourages relaxation of body and mind, while providing clear instructions on what needs to be done to avoid becoming too relaxed and sleepy, and giving the confidence to meditate with peace of mind.

*1-To touch the earth with bare feet or bare skin. Also called grounding. It is believed to condition the body and mind by releasing artificial energy, such as electromagnetic waves, into the earth.

*2-Immersive meditation in which the attention is consciously focused on a specific object (breath, image, concept, candle flame, etc.) (Otani, 2014).

*3-A state of mind in which one intentionally and with special care focuses attention on the “here and now” self, accepting it as it is without evaluation (explanation by the author).

*4-Meditation in which one continues to be aware of all things perceived without preference.