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教員コラム

星座と心理学!?

7月7日、イオンモール京都五条で開催された七夕イベントに、心理学科の学生たちがボランティアとして参加したそうです。そのイベント準備の関係で、当日の夕方まで、心理学科にも、七夕飾りの笹が置いてありました。七夕飾りに彩られた笹のお蔭で、季節が感じられて、心理学科のフロアに来るたびに癒されていました。

七夕と言えば、子どもの頃に、夜空を見上げて織姫と彦星を探したことを思い出します。でも、七夕当日は、曇や雨の日が多くて、織姫も彦星も見えなかった記憶の方が強く残っています。今年の七夕は、日中晴れていたので、今年こそ見えるかもと期待したのですが、夜空には薄雲が広がり、結局、織姫と彦星を見つけることはできませんでした。他人の恋路は、のぞき見るものではないのかもしれませんね。

夜空に並ぶ星たちを、神話の英雄などに見立てたものが星座です。星座を形作る星たちは、私たちの目には隣同士にあるように見えます。(例えば、オリオン座の三ツ星は、隣同士の3つの星が等間隔に並んでいるように見えますよね。)でも、その星たちはそれぞれに、地球からの距離が全く異なるため、隣にあるように見える2つの星が、実際には、何万光年も離れていたりします。たまたま、地球から見るから、さそり座やオリオン座の形に見えるというわけです。そう考えると、星座というのは、様々な星たちの巡り合わせによって成り立つ不思議なものですね。

星座は、英語で、コンステレーションconstellationと言いますが、「配置」という意味も持っています。ユングの分析心理学にも、「コンステレーション」という考え方があり、とても興味深いものです。心理的な援助を行うときには、この星と星との巡り合わせのように、相談に来られた人はもちろん、その人を取り巻く様々な人たちとの巡り合わせや、その人の心の中に生じる巡り合わせをも視野に入れようとする考え方です。

例えば、相談に来られた方に、何か言葉をかけるときに、たとえ一般的には正論であっても、「今、この状況に置かれた、この方」に伝えるのは、心理的な援助として良くないということがあります。一つの星だけに注目し過ぎて、星座の全体像を見ようとしないと、適切な心理援助ができなくなるわけです。

また、相談に来られた方にとって、今は苦難と思えることであっても、大きな巡り合わせの中で考えると、その苦難は何か大切なことを手に入れるきっかけになるかもしれません。そうなると、その苦難を取り除くような援助をするのがよいのか、その苦難を生き抜き乗り越えることを援助するのがよいのか、簡単には言えないわけです。

若い頃の苦難と言えば、試験勉強もその一つですね。
受験勉強に励む高校生の皆さんと、大学院入試や公務員試験の勉強、就職活動に打ち込む光華の心理学科4回生に、よい巡り合わせが訪れるように祈りつつ、筆をおきたいと思います。

鳴岩 伸生(2016年7月11日)

力作が沢山!!

季節が感じられます

願いが叶いますように