京都光華女子大学 健康科学部 心理学科 ニュース 諦めかけていた夢を追いかけて

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教員コラム

諦めかけていた夢を追いかけて

大学院生の頃、恩師の研究室で「社会心理学研究会」という勉強会をしていた時でした。授業を終えた恩師が手を洗いながら、その日の出来事を語ってくれました。授業後、一人の女子学生が近寄ってきて、「先生、私の母も先生の授業を受講したそうです。母子二代に渡って先生の教えを受けます。どうぞよろしくお願いします。」と話したそうです。本当に嬉しそうな恩師の姿を見て、いつの日か親子二代にわたって受講してもらえるようになりたいと心から願いました。

その後、ご縁をいただきまして光華の一員となりました。赴任して最初に思ったことは、卒業生が母親となり初めて娘を胸に抱いたとき「光華の人間関係学科(現、心理学科)で学んでほしい」、そう思ってもらえるような学科でありたいということでした。その思いは今も変わりません。しかし、卒業生の話を聞くと、子どもが3人とも男の子であったり、女の子であっても私が定年になる時に18歳になっていなかったりで、夢は叶いそうにありません。

前回のコラムでも書かせていただきましたが、今年、1期生の同窓会がありました。その時のことです。一人の卒業生が、「11歳になる娘がいて、大学は共学か女子大かでずっと迷っていました。今日、同窓会に参加して、娘は光華で学ばせることにしました。私自身、光華で学んだので、そのすばらしさはよくわかっています。」と話してくれました。心は喜びにあふれ、体は宙に舞い上がるようでした。

親子二代にわたって受講してもらえるかもしれません。諦めかけていた夢が蘇ったばかりか、まさに現実になろうとしているのです。しかし、光華に進学するかどうかは、母親ではなく本人の意思次第です。喜んでばかりはいられません。心理学科が選んでもらえるように、そして私の夢を叶えるためにも、全力を尽くしていきたいと思います。

竹西 正典(2016年8月1日)