学内に元気な学生の姿が戻ってきました。1年生基礎ゼミⅡです。
前専攻長の瀧澤透教授の講演会を行いました。
演題は『共生社会をめざして~失語症会話パートナーの寄り添い~』
今回は宗教講座の収録も兼ねていました。宗教講座は年に5回開催される全学学生と教職員を対象にした講演会です。
宗教講座というと抵抗を感じられる方もおられるかもしれませんが、専攻や立場を超えて他者を思いやり、ともに健やかに生きていく自分のあり方を学ぶ機会となっています。
そのような講座で「失語症会話パートナー」について学ぶというのも、人々の健康をサポートする臨床家を育てる本学らしい取り組みといえます。
今回の講話は11月26日に学内向けに配信される予定です。学外のみなさまには講演録のPDFが本学リポジトリにて公開されます。是非ご視聴くださいませ。
以下、学生のふりかえりからの抜粋です。
・言語聴覚士として患者さんの回復を手伝うことはもちろんだが、それ以外にも失語症の方を支援する方法があるのだと知った。「失語症会話パートナー」という言葉は初めて聞いた。養成講座などを経て専門的な基礎知識を持っている方が、主にボランティアとして日常生活面での支援を行っていると知った。言語聴覚士になってもそういったことにアンテナを張っておくことで、より多くの失語症の方を支援できるのだと感じた。
後期から失語症についての授業が始まり、映像を視聴したり、説明を聞いたりしたことで以前よりも失語症の症状をイメージできるようになった。しかし、「失語症について」を理解していたとしても患者さんがどう感じているのか、困っているのかを理解していなければ本当の意味での支援にはつながらない。今の私は症状の見分け方など覚えることに必死になっている。専門知識を身につけた上で、一人の言語聴覚士として働くようになった時には、「患者さんに寄り添う」ことのできる言語聴覚士になりたいと強く感じた。(Uさん)
・失語症について一定の知識と技能を持ち、支援してくれる会話パートナーは、失語症の方の外出や公共交通機関の利用などをサポートし、社会との架け橋になる。失語症の方が孤独感を感じないためにもとても良い存在だと思った。しかし、まだまだ社会での認知度も低く数が全然足りていないのではないかと疑問に思った。もっと会話パートナーの数が増えれば、失語症の方が少しでも生きやすい社会になると思った。
失語症について学べば学ぶほど、失語症の症状というのは人それぞれで、苦手なこと、比較的できることも様々であると感じる。だから、失語症というだけで決めつけず、その人その人に合った支援ができる言語聴覚士になりたい。(Sさん)