京都光華女子大学 看護福祉リハビリテーション学部※ 福祉リハビリテーション学科 言語聴覚専攻 ニュース お母さんに想いを馳せてみる・・・朝ドラ「半分、青い。」から・・・(その2)

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教員コラム

お母さんに想いを馳せてみる・・・朝ドラ「半分、青い。」から・・・(その2)

私にも北海道の釧路に娘がいます。この4月から1歳半になる娘の娘を保育所に預けながら、中学校1年の担任、数学の教師という仕事に復帰しました。ところが、三日もたたないうちにナントカウイルスをもらってしまい、「慣らし保育」もできないままに、連続して休んでしまったそうです。心配です。心配だけど遠すぎて何もしてあげられません。娘の夫(世間では婿殿)も、この春片道50キロの学校に転勤したところですが、交代で休みをとっているということです。

「(娘の娘は)食欲あるのに、喉が痛いからか食べられへんねん。しゃあないから残ってた離乳食の初期のレトルト出したら、めっちゃ食べるで。3つぐらいいっぺんに食べてあきれるわ」「学級びらきやのに、担任一日しか行けてへん」「たっちゃん(婿殿)の中学校、転勤してきた若い男性のがすぐ休みをとるなんて、悪く受け取られるんじゃないか、って忠告してくれる同僚がいるんやけどな」電話をすると、娘の明るい声が返ってきます。心配だ、かわいそうだといくら思っても、飛行機で駆けつけることもできません。「教師生活30年続くのだから、しゃあない。かまへん。休み休み。親の代わりはないよ。私らかて、あんたらが小さい時に朝じゃんけんしてどっちが休むかよく決めたもんやわ。どっちも担任なんやから男女関係ないで。生徒は今からの長いつきあいだから大丈夫や」努めてさらっと言いました。

2歳の長男と10ヶ月の娘を保育園に預けて仕事に復帰した4月を思い出します。すぐに娘はヘルペスにかかり、口の周りをブツブツだらけにして何日も休んでしまい、ゴールデンウイークまではどうにもならないような日々でした。広島の母は新幹線に乗って何日も助けにきてくれました。

幼い我が子が熱を出したり病気になったり、ましてや「聞こえない」と告げられたり。代わってやれるものなら・・・と思う親心。時間が過ぎてようやくその思いに気がつくのは、人間がみんな順送りだということなのでしょうか。でも、一方で当の本人の意識の中では、自然に受け止め、かわいそうなどと思われることのほうが嫌になることも多いのですが。

NHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」。脚本家の北川悦吏子氏自身は成人後の一側性難聴だということですが、彼女のものの見方がどのようにドラマに描かれるのか、楽しみ「撮りだめ」してみることにします。

 

言語聴覚専攻 高井 小織