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学生の活動

地域活動支援センター「すももクラブ」を訪問しました

 11月26日(月)に私たち、学Booo失語症プロジェクトは大阪市淀川区十三にある地域活動支援センター「すももクラブ」を訪問しました。

 「すももクラブ」は2005年に、失語症の方の任意の交流の場として始まったそうです。現在は失語症の方の社会参加を目指して地道に活動を続けています。

 私たちが訪問した時は2カ所で活動されており、1カ所では麻雀に取り組み、もう1カ所では写真展示・紹介を行っていました。他の曜日ではパソコン、書道、手芸、絵画などに取り組んでいるそうです。また、社会的活動では区役所に自分たちに必要な防災対策の提言を行っているそうです。

 利用者やスタッフの方々は私たちを温かく迎えてくださり、作品のこと、カメラのこと、生活の様子などについてお話を伺うことができました。学生たちはその暖かさと元気さを共有することができ、学生自身、元気をもらえたと思います。(教員 瀧澤)

すももクラブさんの見学の感想

 〇今回は大阪の十三にある地域活動支援センター「すももクラブ」さんを見学させていただきました。失語症友の会さんとはまた全く異なる雰囲気で、利用者さん同士がコミュニケーションを取ったり、各曜日の活動を行ったりされていました。

 今回は、私自身失語症の方に対するお話の仕方などを学び、吸収したり、実践したりしたいと思い参加していました。講義等で学んだ多少の知識はありましたが、いざ失語症の方を前にすると頭が真っ白になり、初めは少し戸惑いました。少しずつお話をしていると、「この方にはこういう質問方法の方が良いかな」などと考えられるようにはなりましたが、上手く実践ができず、他の利用者さんや言語聴覚士さんに助けていただくことばかりでした。

 「この失語型だからこの方法でお話をしたらよい」などそのような単純なものではなく、お一人お一人に合った伝えやすい・伝わりやすい方法があるということを実感できたことは非常にプラスでした。しかし、利用者さんが一生懸命様々な方法で伝えようとしてくださる内容を私が上手く汲み取れず、「あぁ…うまく言えない」と思わせてしまったことは本当に申し訳なく、私自身もつらかったです。言語聴覚士を目指す者として推測し汲み取る力、理解しようとする姿勢の大切さを痛感しました。(3回生AM)

 〇すももクラブで行っている日頃の活動や、利用者の方々が撮られた写真を見せていただきました。どんな風に撮ったのか、いつ撮ったのかなど、写真にはそれぞれの素敵な思い出が詰まっていました。撮り方やテーマに趣向が凝らされており、趣味を超え「作品」なんだなぁと感じました。

 その後利用者の方々とお茶を飲みながらお話をさせていただきました。その際はっと気が付かされることがありました。利用者の方がおっしゃった、当事者の方が望むSTのあり方についてです。私は今一生懸命言語聴覚士になるための勉強をしていますが、まだまだ目の前の教科書からの知識を頭に入れることでいっぱいです。だから、その先にいる当事者の方まで思いを巡らせることが出来ません。しかし、これから臨床に出る上で当事者の方とは切っても切れない関係です。今回は、関わる上で大切なことはなにかを教えてくださいました。
 
 それは、言葉にならない声を聞くことです。必ずしも声になったことだけがその方の思いとは限りません。声にならない思いをたくさん抱えておられるかもしれないのです。ましてや失語症の方々はなかなか自分の気持ちを言葉にすることができません。そのような方々の気持ち、思いを汲み取る必要が大いにあるのだと改めて感じました。今回もそうです。今この方は何を伝えたいんだろう、身振りだけでなく表情からも読み取ろう、様々なことに注意を向けコミュニケーションをする必要がありました。初めて失語症の方々と交流する機会を得ることが出来、気がつくことや教えていただくこと、考えさせられること、様々な思いが巡りました。 あと3ヶ月もしたら4週間の実習が始まります。その時には、患者さんの目に見える状態や症状だけではなく声にならない心の声にも耳を傾け、コミュニケーションを取ろうと思います。(3回生CH)


 〇参加させて頂いて感じたのは、利用者の皆さまはご病気をきっかけに新しい趣味を始めておられて生き生きとしておられました。その生き方が大変格好いいと思いました。

 見学に初めて参加させて頂きました。利用者の皆さまは大変優しく接して頂きました。ありがたかったです。今回このような機会を与えて頂き大変ありがたかったです。(3回生NT)


 〇今回「すもも」クラブを見学させていただき、失語症者同士の交流や絵画、写真、麻雀などの娯楽を通してコミュニケーションを楽しむことの大切さを再確認しました。撮られた写真などを見せてくださるのがとても嬉しかったです。

 利用者の方とお話するなかで、書字やジェスチャーなどを用いることがありましたが、内容をある程度推測出来るように、利用者さんの日常のことをきちんと理解しておくことも大事だなと感じました。また、利用者さんの一人がおっしゃっていた「失語症者にとってSTは天使のようだ」という言葉が印象的でした。

 今後STになる身として、こういった言葉をいただけるような患者さんにとって頼りになるあたたかい心を持ったSTになりたいと思いました。今回の経験をもとに、より一層将来のために勉学や社会活動の参加に励みたいです。(3回生AM)

「すももクラブ」の前で

利用者による写真や書道

学生と利用者の交流