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授業紹介

「失語症の方と共に」①

11月4日(月)の1回生基礎ゼミで失語症当事者2人の方を招いて、お話をしていただきました。病気で失語症になった時の状態、その後のリハビリ(言語聴覚療法)のこと、現在の状態、そして、これから挑戦してみたいことを語ってもらいました。

お二人とも失語症のためにスムーズな発話が困難でしたが、笑顔を交えながら語ってくれ、学生の質問にも真摯に答えてくれました。学生は授業では学べない内容に接することができたのではないかと思います。

1回生は春の一泊研修で三田市にある「トークゆうゆう」を訪問し、失語症の方々と交流を行っていますが、その時の感想とは随分異なり、成長の跡が認められます。言語聴覚士の視点を持ちつつある、1回生の「言語聴覚士の卵」たちの姿は頼もしく見えます。以下はその感想の一部です。(クラスアドバイザー 瀧澤)

 

 今回のお話を伺って、失語症について授業で習ったことだけではわからない実際のことを学ぶことができ失語症への理解をより深めることができたので、よかったです。貴重な経験になりました。・・・・このお話から同じ失語症と言っても、人によって全然違うので1人1人に合った接し方やリハビリが言語聴覚士には求められているのだと思いました。・・・

 失語症というのがどのようなものであり、教科書や授業だけでは学ぶことができない実際の失語症について学ぶことができました。人によって症状やできること、できないことは違うのでその人、その人にしっかりと向き合っていくこと、その人その人にあったリハビリを言語聴覚士、作業療法士、理学療法士などの医療関係者が考えていくことが大切だと感じました。(Nさん)

 OYさん(当事者)は実際に持ち歩いていらっしゃる自分が失語症であることを相手に理解してもらうためのカードを回してくださったことも印象的でした。そのようなカードを持ち歩くことがあるというのは、授業や1泊研修でお話を伺った中でも聞いたことがありましたが、実際に見たのは初めてでした。

 そこには、自分は失語症で言葉が出にくいことが示されているほか、トイレや交番など教えて欲しい場所や、困った時に連絡してほしい電話番号などが書かれていました。このように工夫をして自立して生活ができるのだなと思う一方で、失語症は目に見えないため、理解されにくいのだなということも改めて強く感じました。(Iさん)

失語症の方をお二人招いて