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授業紹介

「失語症の方と共に」②

引き続き、学生の率直な感想文です。

 失語症学というものを授業で習っているのですが、ビデオで見る映像で学べることと、実際話を聞いて学べることはかなりの違いがあると改めて感じていました。
言語聴覚士という仕事は、確かにリハビリを行う職業ですが、患者さんに将来寄り添うためには、しっかりと社会の世の中に認識してもらう必要があると思います。しっかりとした認識はもちろん大事ですが、まずはその認識よりも「失語症」というワードから知ってもらいたいなと思いました。
 しかし、これはなかなか広まってないのが現状です。患者の将来に寄り添おうと考えているため、自分は「失語症」などといった世間では認識されてない病名を広めていくではないですが、多くの人に理解・認識をしてもらうために動くのも言語聴覚士としてできるのではないかと考えました。そうすることで、少しでも患者さんが住みやすいなと思えるようになるのではないかと思いました。もしかするとこのことは、他人から見れば「それは言語聴覚士の仕事ではない」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、私は少しでも患者さんの力になりたいですし、支えたいと思います。私は、私が患者さんに対してできることの一つなのかもしれないと今回の話を聞いて考えることができました。(Yさん)

 質疑応答の時のお話で、生活の中で困っていることは何ですかという質問に、OHさん(当事者)はまず家から外に出たらしゃべらないが、お店のレジの際に、耳から聞く情報の入手が困難だと、また、OYさんは失語症ですのでご配慮くださいといったカードを持ち歩いているとおっしゃっていて、この現状というのは、失語症についての知識が社会に知れ渡っていないために、社会からの孤立であったり、配慮が必要ですと自ら提示する必要があると思いました。
 しかし、この状況はおかしいと私は思います。失語症になって言語機能が低下しても、それによって自らに不利益を被るというのはおかしいと思いましたし、この理解を広めるためにはまず、STの卵である自分が勉強していく中で、知識を深めたいと思いました。(Tさん)

 今回の授業は、天気や気圧の変化で脳が重く感じるというお話や、病気を発症した当時のこと、自分が失語症という障害であると理解した時期や経緯など、普段の講義を受けるだけではわからないようなお話を聞ける、貴重な機会になりました。また、4月の一泊研修で、トークゆうゆうの方達のお話をほとんど知識がない状態で聞いた時に比べると、自分の中の失語症についての知識が増えていて、習ったことを思い出しながら、お話を聞くことができたのでよかったです。今回のお話の中でわかったことや感じたことをそのままにせず、自分の学びに生かして、これからも勉強に取り組めるよう頑張りたいです。(Oさん)

 OYさんの話の中で印象に残っていることは、失語症者のカードを一般人に見せても9割の人は失語症のことを知らないということです。確かに私も言語聴覚士のことを調べるまでは失語症という病気を全く知りませんでした。友達に言語聴覚士のことを話していて、会話の中に失語症という単語を出したら、必ず「失語症って何?」と聞かれて、毎回私はどのように説明すればよいか困っていました。授業で失語症者がカードを見せると言葉が話せないと勘違いして文字盤を持ってくる人もいると習いましたが、本当に世間に知られていない病気なのだと実感しました。(Mさん)