京都光華女子大学 健康科学部 医療福祉学科 言語聴覚専攻 ニュース 一緒にいても・・・マスクが私を「疎外」することに気づいて

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教員コラム

一緒にいても・・・マスクが私を「疎外」することに気づいて

一人の高校生の声です。

「高校の授業のことで相談があります。今、新型コロナが感染拡大する状況になってきてますが、私の高校では登校の時にルールがあって、教師も生徒も全員マスク着用になってます。教室見渡す限りでもマスクを外してる人は1人もいなくて、このまま授業をします。

全員マスク着用なので授業中の先生の言ってることがほとんどわからないんです。友達との会話もまだらまだらになってなんとか自分から合わせていってる状況です。友達ならたまに「マスク、今だけ外して」と言うことはあります。でも、先生の話はわかりづらいし、先生に「マスク外して」とは言いづらいです。

先生になかなか相談しにくいです。

友達は仲の良い子が多いので、聞こえなかったら聞き返せるし、なんとか上手くやっています。でも、授業となるとテストにも繋がってくるので。授業の支援って、他にどんな方法がありますか?UDトークは有効ですか?遠隔でのパソコン入力の方法は?なにかコロナ終息までの間の授業の支援でなにかありますか?」

私からの返事です。

連絡してくれてありがとう!あなたのSOSは決してあなただけのものでもないしわがままでもない。「感染防止にみんな大変な状況の中で、こんなことを言うのはアカンことだ」と、きっと誰にも言えないまま愛想笑いでごまかしている(心の中では泣いている)生徒が全国にどれだけいるのだろうと思います。誰にも気がつかれてないけどしんどい思いをしている数のほうが多いでしょう。

聾学校など聴覚障害のことをみんながわかっている環境内であれば、「聴覚障害のある人に対ししてはっきりした口形を見せる。表情を豊かに話す」というのは自明のことです。しかし、現在の日本では聾学校以外の小中学校、高校に通う児童生徒もとても大勢います。

経験したことのない先の見えない新年度。きっと教職員も極度な多忙さの中で「感染防止」を第一に考えてのマスクであることは十分にわかります。わかった上で、こうした「声なき声」を聞いていただきたいと切に願います。

じゃあ、どうしたらいいのか。単純に「マスクを外す」ことがひとつだけの正答ではないと思います。「困ってる・わかりにくい」と声をあげること。誰かが気がつくこと。話し合ってみること。いくつかの方法をあげてみること。試してみること。フィードバックすること。比べること。もしかしたら、ベストの方法ではなくちょっとだけベターなところで妥協せざるをえないかもしれない。でも、その過程の中でお互いが気がつき、対話が関わりが深まることに期待したいです。

そして、このことに気がついてらっしゃる多くの保護者や先生方にお願いします。それぞれの地域にこのような「声なき声」があることを想像し、気がつかれた時には発信していただいたりして、一緒に考えていただきますように。特に地域の核になっている聾学校の先生方、それぞれの地域にいる子ども達へ思いを馳せ、繋がっていただきたいです。

コロナ禍は長期戦で、再登校後もこのマスク問題は続くと思われます。様々な予想をたてながら、話題を広げてよりよい方法が提案できればよいと思っています。

私も4月になって「透明なマスク」をネットで注文しました。

写真に載っている透明マスク。職場近くの大型ショッピングセンターでお弁当屋のバイトをしている学生が、ずっと以前からつけていました。他のマスクと比べると鼻のあたりの密封性はありません。

下記はアメリカの高校生が考えたマスクのリンクです。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2004/10/news040.html